(1)膝蹴りはインパクトがある
介護職員による暴行、虐待の報道は目立つとまではいかないけど、出れば相当なインパクトをもって報道される。
どのような状況でこの事件が起こったかの詳細が無いから分からないが、要は認知症の高齢女性の顔面を膝蹴りしたという事。コメントにはこの介護職員を擁護する声も見られるが、人を傷付ける行為は言語道断だ。
この介護職員をかばう声として
①ベッドから降りてホールまで這いずっていった認知症の人を事故無く見ることは大変
②もともと施設の人員基準に欠陥
等という投稿も目に付く。
(2)介護職員は大変だ、だけど・・・
介護職員はそれだけ身体的にも精神的にも大変だという事はそれなりに認知されてきたと思う。
しかし「大変だね」と言いながら傍観している人ばかりというのも現実。じゃあどうすればいいのかといえばその答えもない。
さらに「仕事なんだから」と突き放す始末。
それでは介護職員も報われない。
それはこの利用者も同じだろうと思う。
認知症になって、訳も分からなくなってしまう。おそらくベッドから降りて這いずり回るのも何か本能的な理由があるはずだ。
それを知らない若者に見つかり、顔を膝蹴りされれば、何が起こったのかも分からないくらい動転しただろう。
(3)大概において人の苦労はどうでもよい。
人が苦しんでいるのを見ても、自分が苦しまなければ見て見ぬふりをするものだ。
よく「アンガーマネージメント」という事も聞く。
怒りのコントロールだ。
確かにいう事を聞かない徘徊する高齢者は厄介だ。事故が起これば家族から損害賠償請求されるリスクもある。
そうした事をカスハラというかは議論の余地があるが、そういう事例から身を守る仕組みづくりの方が先だろうとは思う。