(1)ケアマネ研修は必要か不要か議論
ケア前の更新研修が必要か不要かと言えば、現場は不要、委員は必要、と言う水掛け論が続く。
なぜ現場からは不要と言われるかといえば
・時間が取られる
・費用が高い
・内容が希薄、役に立たない
・振替がきかない。親が死んでも研修が優先
等の理由が挙げらている。
一方、委員の必要論は
・ケアマネの質の確保
という点であろう。更に「不要は極論」として研修をやめる意思はなさそうだ。
(2)そもそもケアマネの質って何?
それでいつも思うが、ケアマネって何をもってされるんだろうという事。
介護保険が始まって20年。ケアマネは何を目的に頑張ってきたのかと言えば、介護保険法第1条「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」という基本理念に基づいているはずだ。
それで委員はこの基本理念に基づいた仕事をどう評価しているのかという事。
それで目的に合っていないというなら、ケアマネの質が悪いと言われてもしょうがない。もっと教育しなければとなってもしょうがない。
でもそういう話は一切聞いたことが無い。
(3)仕事の成果はアピールすべき
本当はケアマネの側からアピールする話なんだろうと思う。
自分たちの仕事はこれだけ法に基づき、利用者の福祉の増進に寄与しているじゃないかと言うべきなんだろうと思う。
確かに死んだ人に聞くことは出来ないが、法施行後20年、ケアマネの働きが介護保険を支えてきたのは事実だと思う。
その上でだが、実地指導ではこういうことは一切問われない。
それをいい加減と言うかは別問題だが、どんなにいいケアマネがいて、どんな困難事例を担当しても、書類が無いだけでその仕事はパーになる。
こういう理不尽がまかり通るのが介護業界である。
そんな仕事、誰がしたがるだろうか。
(4)結局は負けているのだ
介護予防が始まった時に、介護保険サービスの利用が制限されることになり、その代替としてボランティアの利用が見込まれた時期があった。その時の資料に「ボランティアなどは質に限界があるので、ケアマネのマネジメント力が問われる」みたいな文言があった。
冗談じゃない。
サービスを使えなくしておいてケアマネに責任を押し付けるなよと思った。
しかしそうした発言をさせるのもケアマネの業界が弱いから。結局負けているのだ。
訪問介護が儲かっているという計算基準をさせたのも、それを認めた議員も、結局は我々の力が弱かったからだ。
おそらくどの業界でもこうした辛酸をなめ、結果圧力団体ができ、政治献金などにつながっているのだろう。
本来、世間というのはそういうものだ。我々は結局負けているのだ。
それを我々業界が認めることから始まる。