福祉の仕事、というと「良い人ですね」とか人としての評価をそれでしてしまう人もいる。
つまり「人のために」仕事をするという事は自己を犠牲にしてでも人に尽くす人、というイメージを持たれることもある。
しかし、どういたしましてで、福祉の正解はそんなにキレイな世界ではない。むしろ、怒りをぶつけられたり女性でならセクハラにあったりの魑魅魍魎が跋扈する世界と言っても過言ではない。
ケアマネだって、ものすごく広い知識や交渉力、判断力が求められる。
さらに言えば訪問介護は条件が悪い。
ただでさえ不人気職種なのに、訪問介護の仕事に就くために研修を自費で受けなくてはならず、就いた後も移動などの手間、リスクの高い高齢者を一人で対応しなければならないなど責任も重い。
普通に考えて、そこまでしてこの仕事をしたいだろうか?と疑問に思うのである。
確かに一旦資格を取ってしまえばこの仕事は何処でもできる。
しかもパートが多いので、自分の都合に合わせて仕事が出来る。
つまりスケジュール管理が出来れば、それなりには仕事になる、と言う論は成り立たないわけではない。
しかし、先日も取り上げたが有効求人倍率は15倍を超える。
それにはただ給料を上げれば良いという世界ではないということ。
ヘルパーにしてもケアマネにしても「燃え尽きた」と言ってやめていく人も多い。今の業界はそうした夢破れ、ボロボロに傷つけられた人の犠牲の上に成り立っている。
その傷つけた人は高齢者であり、職場であり。
ところが傷つけた高齢者を罰するという事は中々ない。
介護を受ける側になれば何をしても良いのかと憤ることもある。
人がいないから外国人を雇用するというのは一応の理解はする。
しかし、本質的にヘルパーが感じているプレッシャーとか、やりたがらない、勤めてもすぐに辞めてしまうという事について、会社の研修システムがどうのこうのと言う前に、そもそも論を考えたらどうだろうか。