日本が世界のトップリーダーであった頃、それは戦後のみならず戦前も言えることだが、他国から日本に学びたいという人が多くいた。仕事で言えば、自国よりも日本の方が稼げるという理由はもっともだし、日本で活躍できれば自国に戻った時に必ず通用するという意識はあったと思う。
それは日本が明治維新の時に他国に打ちのめされながらもその国に学ぶという姿勢があったからこその時代の駆け抜け方だったと思う。
介護についていえば日本は先進国と言えるだろうか。
日本で介護を学んで自国に帰った時、何が生かせるのだろうか。
学ぶものが無い、となれば後は働くメリットしかない。
そうすると奇異の通り、日本でなくても他の国の方が待遇が良いとなれば日本が選ばれる可能性は低くなる。
福祉、というのは人間を学ぶもの、という考え方からか、実習生絵もボランティアでも「やらせてやる」という姿勢が強かった。ボランティアをする方も「自分は良いことをしてあげている」という感覚はあると思う。よく言えば社会貢献、悪く言えば慈愛を振りまきすぎる迷惑な人だ。
それが介護保険が始まり、待遇面などからそっぽを向かれ、徐々に考え方も変わってきたように思う。勿論、気持ちの良い人にこの仕事をして欲しいのは当然だが、福祉の在り方=ボランティア、奉仕という考え方ではもはややっていけない。
他国から見れば日本人の勤勉さや技術は学ぶべきものだろうが、福祉の分野でも世界が学びたいと思うようにならないとな。