最近、評論家と称する人が一般論とはちょっと違う意見を言って「俺ってこんなところに気付いちゃった。すごいでしょ」みたいなのが目に付く。
それでこの記事
要するに「人材不足は介護業界だけにとどまらない日本全体の問題だ。その根底にあるのが、出生率の低下であり労働人口の減少である。」
それで「定着率が上昇しない理由は、業界の職員気質も一因であろう。人材不足による多忙を理由として、業務改善がなかなか進まない事業所が多い。福祉学校の卒業生を受け入れて、その翌日から現場に出してすぐ“一人前扱い”のところも未だにある。これでは、実務経験の無い新卒者は辞めてしまう。」
だそうだ。
ふーん、そうなんだ。
まあ、イチ意見としてはいいけど。
それでこんなのを見つけた。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/recruitcareer/news/20190712.pdf
リクルートキャリアが行った「介護職非従事者の意識調査」である。
・介護職非従事者が就業をためらう主な理由は「体力的にきつい仕事の多い業界だと思うから」 (49.8%)と、「精神的にきつい仕事の多い業界だと思うから」(41.8%)。
・働く環境については、実態に反しネガティブなイメージが定着している。「業界全体の離職率 は産業全体と大きく変わらない」事実の認知率は10.6%だった。
・同じく「介護技術の進化によって腰などを痛めず、身体負荷をかけずに生涯働ける環境になっ ていること」もほとんど認知されておらず(13.6%)、就業をためらう「体力的・精神的に きつそう」というイメージを後押ししている。
・働く環境の実態を知ることで、介護サービス業への就業・転職意向がなかった200人の内、24 人が「意向あり」に変わった。
・意向ありに変容した人は、主に「介護業界で働く人の5割強は残業がないこと」(45.8%)と、 「約4割の事業所は1年以内の離職率10%未満であること」(41.7%)に魅力を感じている。
この調査から見出せるのは、介護業界はネガティブなイメージが先行して就業をためらわれており、実態を知ることにより就業・転職意向なしが意向有に変わりうる。要するに、福祉の職場をアピールしろ、という事だ。
それで
・意向ありに変容した人は、主に「介護業界で働く人の5割強は残業がないこと」(45.8%)と、 「約4割の事業所は1年以内の離職率10%未満であること」(41.7%)に魅力を感じている。
おや?見方を変えれば全然違うぞ。
要は長所を伸ばすか、短所を治すか、の違いか。
介護業界は長く3Kだの7Kだのとネガティブなイメージだった。大変な割に給料が安いとか。
でもそれは、出来る限りの改善をしてきており、一般職とさほど変わらなくなってきている。
それでも就業への移行は低いとなれば、介護業界の長所は何処か、という事だ。
まず、この派遣やアルバイトで云々という時代に正社員で働ける環境が多いという事。
日曜日に休みたければ日曜日は休みのデイサービスという手もある。
そして、体力的・精神的につらいというネガティブなイメージ。それは一般の仕事でも変わらない。どのようにみんなやっているか、実際に示す必要はある。
こうしたプレゼンがあって、初めて自分にもできるのではないか?という気持ちが芽生えるかもしれないというものだ。
ただ、「それでも定着率が上昇しない理由は、業界の職員気質も一因であろう。」というのも一理ある。
研修などでグループワークなんかをしていると、やけに斜め上からの意見を言う人もいる。
それはディスカッションの仕方の問題であり、仕事の定着率とは区別する必要がある。それは、マネージメントの問題。
こういう記事は目にすることが多い。意見は意見としていいが、「そちらの芝生は青くないよ」と言っているに過ぎないような気がする。
どうすれば業界のためになるかという意見を聞きたいというネガティブな部分の解消より、介護の仕事をすればこんな良い事があるんだよというポジティブな意見を聞きたい。特に大学の先生や評論家なら、そういう意見も持ち合わせているでしょ?
というわけで、なんか参考になるものはあったであろうか?
