訪問介護ヘルパーの労働環境が劣悪なのは、賃金の支払い実態が労働基準法に違反しているのに国が放置し、規制しなかったからだとして、ヘルパーの女性3人が国に未払い賃金など計990万円を求めた国家賠償訴訟の判決があった。東京地裁(高木勝己裁判長)は1日、原告の請求を棄却した。
まずはこの裁判を起こしたヘルパーさんに敬意を表したい。
「原告側は、賃金がサービスの時間のみを反映し、訪問先への移動時間やキャンセルなどが考慮されないなどとヘルパーの労働実態を訴えた。
劣悪な労働条件の原因として、介護保険制度の変更が重なり、介護報酬が低下した結果、事業所が経営困難になっていると主張。
東京地裁は判決で、仮に原告側に未払い賃金が存在するとしても一次的には各事業場(事業所)で是正するのが妥当と指摘。国がどのような規制をすべきか具体的な主張がない、として原告らの訴えを退けた。(本文より抜粋)」
コメント欄に色々な意見が書かれているが、訪問介護の就業形態は大きく分けて3つ。
①常勤ヘルパー
②非常勤ヘルパー
③登録ヘルパー
①②は仕事があろうとなかろうと、給与は決められた時間分だけ発生する。
③は仕事がある分だけ給料が発生するというもの。
つまり、急なキャンセルがあれば、その分の給料は無くなる。
経営側とすれば、出来れば常勤ヘルパーで仕事を回したいと思う。しかし、仕事が集中する時間帯はどうしても人員が足りず、ではどうすれば良いかといえば、その時間だけ働いてくれる登録ヘルパーは貴重な存在だった。
ヘルパーの側も仕事時間以外は拘束されず、直行直帰なので働きやすい人もいたと思う。
しかしそれは同時にキャンセルの時は仕事がぽっかり空く事にもなる。しかも、慣れているからという理由で新しい仕事も入れられない。
そうした人が全国的に多かったのだろう。今回の裁判はそうした訪問介護の根幹にかかわることが形になって表れた。
このことについては、以前から言われていており、当区でも労働基準監督署がリーフレットを作成したり、実際に講義もあった。
勿論、徹底できるものではないし、抜け道もあったと思う。
結果として訴えは棄却された。
いずれにしても、訪問介護の問題点が可視化されたという点では意義深い。
さて、ここからどうなるか。
裁判は続くのか。
それとも事業所が訴えられるのか。
それと
訪問介護はどうなってしまうか!?