日本人は無宗教か。
その問いに対する答えはYESでもNOでもありうる。
しかし、日本古来からという視点に見れば神道という事になる。
ただ、仏教やキリスト教と違い、自然に存在する万物に神様が宿るとされた考え方であり、「アニミズム」とも呼ばれいる。
つまり、開祖もいなければ教義もない。入信するための儀式もない土着文化であり、一神教と多神教の違いでもある。
ここは説明が難しいのでこの辺で。
そこで「死」というものを考える。
①神道では、「亡くなった人は氏神となり、家を守ってくれる」という考え方
②仏教の場合は「輪廻転生」という言葉で、死生観が解説され、生まれ変わりを信じている。ただ、浄土真宗においては、「亡くなった方はみな仏さまになるので、生まれ変わりはない」としている。
③キリスト教では主の御許で永遠の安息を得ると考えている。
そこで日本人は無宗教か?という事に戻るが、神道は亡くなった人は、自分たちの血を受け継ぐ子孫を見守ることになると解釈されている。
しかし、昔と家庭の形態が変わっている今は現実的か?という事、神道には教義が無いのでそれを言う人もいない。
つまりは不安はぬぐいされない事もあると思われる。(勿論、考えてもしょうがないという考え方もあるが)
要は死を迎えるにあたって、どのように不安を和らげるかという事は、実は考えを明確に持つことは難しい。
ただ、キリスト教の場合の「永遠の安息」という考え方は、不安を和らげる可能性はある。
スピリチュアル・ケアという考えがある。
「身体的苦痛」、「社会的苦痛」、「精神的苦痛」、「スピリチュアルペイン」と四つあり、これらの痛みを別々のものとして切り離すのではなく、トータルペインとして捉え関わることで、患者と家族のQOLを出来る限り良好にすることが大切だとの言説である。
最近、宗教関係では様々なことが言われているが、お金の問題ではなくその宗教独自の視点で、患者のケアを行って欲しいと思う。