昨日、一気に事務仕事を終わらせたので、今日は時間がある。
そこで自分の原点について振り返ってみたい。
福祉の仕事を志そうと思ったのは高校生の時。
当時は第二次ベビーブームで子供も多く、両親が教育熱心だったという事もあって、受験の為にすべてを懸けなければならないような環境だった。
友人と遊んだ記憶はほとんどない。
高校に入ってもテレビなどで見ていた明るい高校生活とはほど遠いものであった。
数年前の校内暴力事件も収まり、又、高校という事で先生も捻じ伏せてくる感じだった。
そして大学受験という戦争を控えながら、青春を謳歌することができなかった。
心が荒んだ。
こんな世の中、生きている意味なんてないと思った。
何のために勉強しなければならないのか。何のためにこんな嫌な思いをしながら生きなければならないのか。
親や学校の見栄?虚栄心?プライド?
明るい将来なんて描けなかった。
景色がすべてセピア色になっていた。
しかし、こんな私でも尊敬する人がいた。
出会いはそれほど強烈なものではない。
口数はあまり多くなく、さらに乱暴な言い方もするが、妙に説得力があった。
子供の頃に何か言われたことは無い(と思う)が、社会人になって色々悩んでいた時に
「まぁ、精神的なことは・・・何とかなる。」と言われた時は、自分の至らなさを理解するに十分だった。
勿論、私の性格、今までの経緯を知っているが故の言葉だったことは言うまでもない。
そんなこんなで彼のようになりたいと思うようになった。
自分のように荒んだ人間が、たった一人の温かい心で「明日も頑張ろう」と思うようになったのだから。
そして児童関係の仕事をしたいと思うようになった。
もし、荒んだ心を持っている子供がいたのならば、希望を失って暗闇をさまよう子供がいたのならば、未来への羅針盤になるべく一筋の明かりでありたい、そんな志を持っていた。
その1 終わり