昨日、サービス公表の調査があり、事業者にとって不必要だと書いた。
誤解の無いように加筆すれば、情報公開自体を否定するものではない。介護保険法におけるサービス公表が不必要ということである。
まず、前提となるのはこの制度は利用者がサービス事業者を選ぶためのもので、それにより事業者が利益を得られるのだから、受益者負担の原則により、事業者が費用を負担するのが当然、というものだ。
これだけでも事業者からすれば突っ込みどころ満載というところだろう。
まず、この制度の調査項目で、その事業者がどんなサービスを行って老いるかをイメージすることは不可能である。
例えば、「事業計画、財務内容などに関する資料を閲覧可能な状態にしている。」という項目がある。これをしていないからといって、悪い事業者だろうか。
さらに「マニュアルがある」という項目。中身も見ないであるなしを判断する。
つまり、調査内容を見ても事業者の良し悪しを判断する内容ではない。
また、受益者負担だが、この制度は年間100万円の介護報酬がある事業者に義務付けられる。
別にこの調査結果を持って営業なんかしない、この制度に対する利益を放棄するといってもそれは通じない。
そして何よりも利用者が選ぶツールになりえない。
介護保険では様々なサービスが存在する。そのサービスを紹介、調整するためにケアマネージャーがいるわけで、細かいことを言っても利用者側からすればちんぷんかんぷんだろう。
介護保険を知り尽くしたケアマネが努力すべし、という人もいるが、墨田区だけでも事業者数は200を越える。これらの情報を見て、使いこなすのは不可能だ。
これを質の問題と片付けるのは早計だ。介護職員は毎日、死に物狂いで働いている。つまらないものに金と時間を使わせないでほしい、そう切に思う。