シリーズで続けます。よかったらお付き合いください
2.研修がやってきた
6人いた同期の配属は、最初は個人営業に3,法人営業に1,総務に2でした。
私は個人営業の中の一人。一丁前に「扱い者番号」が割り振られ、
番号順に机に座りました。目の前には電話。私は三人の真ん中。
先輩たちは店頭に自分の椅子があります。
センターは文字通りセンターで、リーダーが座っていました。
そこから若手とベテランが交互に並んでいました。
お客様の前に誰もいなければ、机のない私たちも前に出ます。
すこしずつ移動があり、半年目には、
個人営業に1,法人営業に1,総務に3,他店に1になりました。
個人営業1は私。
基本的に一般職に転勤はないのですが、新店舗創設の時は、他店に行くことがありました。
同期の一人もその中に選ばれたけど、
行った人々は「少数精鋭」にふさわしい顔ぶれだな、と思いました。
真面目だったので、自分なりにがんばってはいたのですよ。
サボってない。がんばってる。
空回りがすごかったけど。
何やってもうまくいかない。
必死でやってるのに、出来ない。
怒られる。
怒られたからって、やるしかないんで。
同期は仲良しだったし、まあ他の2人も
結構怒られてました。特にリーダーに。
リーダーは結構苛烈なタイプで、
「親の顔が見てみたいわね」
と、本当に言ってました。
ものすごく傷ついたけど、
黙って耐えました。
それを口にするのも傷ついたので、
愚痴ることも出来なかったですね。
今、初めて言えたわ。
(悪役丸出しのセリフで、
今なら笑っちゃいますね)
全然知らない業界に突然ぶっこまれて、
勉強しながらがんばってる。
勘違いもいろいろやらかしたとは思うけど、
人格否定する理由には、ならないよね。
私の娘にそんなこと言うやつがいたら、
「あなたの親御さんにもお目にかかりたいですね。
他人の娘にどの面さげてそんなことを言うのか」
って、全面戦争ですよ!
妄想止まらない 笑
ま、現実には黙って耐えました。
世の中全体がちょうどそのころに動き始めていて、
私たち、1週間で配属されてフロアに出た一般職と、
3か月合宿させてとにかく資格を取らせた総合職と、
垣根が少しぶっこわされることになりました。
今更だけど、一般職にも証券外務員(簡単な方)を受けさせる。
全員1週間ずつ、合宿だ。
えっ? 合宿?
合宿だー!
通常の仕事はもちろんありますから、交代交代です。
先輩から順次研修にいって、とうとう自分の番がきました。一年目ももう終わる、冬の初め頃のことでした。
研修には他店のいろんな年次の人がいますが、特に仲良くなることはありません。
これまでやってきた業界ですから、
ちょこちょこ知っていても、
テストとなると難しいです。
分厚いテキストと問題集を渡されました。
大都会の真ん中の、調度品のいいビジネスホテルのシングルルームみたいな部屋に泊まって、
講義と自習の一週間。
個室でも勉強していました。
怒られっぱなしのヨレヨレの営業の日々から解放されて、私は楽しかったです。
勉強は難しいこともありましたが、ゴールがわかることなので。
仕事ってそうですよね。正解がわからないままもがいている。
家でも結構勉強していました。量が膨大で、最後まで完璧とは言えないけど、とにかく一通り、がんばりました。
支店に新入社員の親を呼ぶような風潮だったのに、
いきなり研修ですからね!
「総合職」の人たちは、3か月間、支店にまったく顔も出さずに
勉強漬けの毎日でした。といっても、かれらは、
試験に受かって配属先に通うようになっても、
全員が寮生活だったので、だいぶ扱いが違いましたね。
寮から出るには結婚しかなかったころの話です。
だからみんな、そうそうに結婚したのかなあ。
1店舗目の配属で結婚する人が、圧倒的でした。