立派な建物を見た時、
多くの人は外観に目が向きます。
デザインの美しさや高さ、
窓の大きさ、外壁の質感といったところに、
でも建物の本当の強さは、
目に見えない地下の部分の基礎にあります。
どんなに美しい外観を持つ建物も、
基礎が脆ければ、地震一つで崩れ落ちます。
逆に、基礎がしっかりしている建物は、
嵐が来ても、地震が来ても、びくともしない。
自分軸とは、
自分という建物の基礎だと、
私は捉えているのですが、
世の中は、
外観を磨くことを教えすぎている。
スキルを身につける
知識をつける
見た目を整える
発信力をつける
人脈を広げる など
世の中が教えることの多くは、
建物で言えば外観の話です。
でも外観をどれだけ磨いても、
基礎が脆ければ、
何かあった瞬間に崩れてしまう。
世間には、
綺麗なのにどこか脆い人や、
能力があるのに、すぐに折れてしまう人、
実績があるのに、
誰かの一言でぐらついてしまう人がいます。
それは、外観ばかりを磨いて、
基礎を作ることを後回しにしてきたからです。
私たちは子どもの頃から、
外側を整えることを教わってきました。
でも自分の内側、
つまり自分軸という
基礎を作ることは、
誰も教えてくれなかった。
だから多くの人が、
基礎のない建物のまま、
人生という地盤の上に立っているのです。
基礎工事をせずに建てた建物は、
穏やかな日には立っているように見えます。
でも強い風が吹いた瞬間、傾きます。
雨が続いて地盤が緩めば、沈み始めます。
そして大きな揺れが来た時、
一気に崩れていきます。
人生も同じです。
自分軸のない人は、
穏やかな時期はなんとなく
うまくいっているように見えます。
でも誰かに強い言葉をかけられた瞬間、
簡単に揺らぐ。
環境が変わった途端、
不安に飲み込まれる。
想定外のことが起きると、
自分がどこに立っているかわからなくなる。
これは、その人が弱いのではありません。
ただ、
基礎がないから、
外からの力をそのまま受けてしまう
だけなのです。
外側がどれだけ立派でも、
基礎がなければ、
それは砂の上に建てた城と同じです。
では、自分軸という
基礎は何でできているのでしょう。
自分軸とは、
「これが私だ」という
感覚の積み重ねによって創られてゆくもの。
決して、
大げさなものではありません。
毎日の小さな場面で、
自分の本音に従って選び続けること。
その積み重ねが、
少しずつ地盤を固めていくのです。
本当はNoと言いたい時に、Noと言えた日。
誰かの顔色より先に、
自分の感覚を確認できた瞬間。
流されそうになりながらも、
「これは私の選択じゃない」と気づけた時。
そういう一つひとつが、
コンクリートを少しずつ
流し込むような作業なのです。
地味で、目に見える変化がなくて、
本当にこれで合っているのかと
不安になることもある。
でもその積み重ねが、
確実に基礎を作っていくのです。
建物の基礎工事は、
時間がかかります。
地面を深く掘って、型枠を作って、
コンクリートを流し込んで、
完全に固まるまで待つ。
その間、地上には何も現れない。
傍から見れば、
何もしていないように見えます。
でも地下では、確実に
強固な土台が作られています。
自分軸を育てることも同じです。
毎日本音に従って選択しても、
すぐには何も変わらないように見えます。
人から見れば、
何も変わっていないように見えることもある。
でも内側では、確実に何かが積み重なっています。
焦らなくていい、比べなくていい。
基礎工事は、急いでできるものではない。
時間をかけて丁寧にやるからこそ、
後から揺らがない土台になるのです。
同じ嵐の中にいても、
揺らぐ人と揺らがない人がいます。
その差は、才能でも、
強さでも、運でもないです。
基礎の深さです。
自分軸が深く根を張っている人は、
嵐が来ても、その場で揺れながらも倒れない。
揺れることと、倒れることは違います。
揺れても、また元の場所に戻ってこられる。
それが、基礎のある人の強さです。
私がコーチングの中で
大切にしていることの一つが、
この基礎を作るお手伝いです。
派手な覚醒は必要ない。
劇的な変化も必要ない。
ただ、その人の内側に、
「これが私だ」という感覚が
根を張っていくこと。
それだけで、その人の人生は
根本から変わっていきます。
外観を磨くことは、
基礎ができてからでいい。
まず、基礎を固めてください。
今日一つだけ、
自分の本音に従った選択をすること。
本当はこう感じているという
感覚を大切に扱うこと。
誰かの期待ではなく、
自分の内側の声を選択の基準にすること。
その小さな積み重ねが、
気づいた時には深く、強く、
揺らがない土台になっています。
嵐が来た時に初めて、
その土台の強さがわかります。
そしてその時、あなたは気づくはずです。
どれだけ揺れても、倒れない自分がそこにいることに。
それが、自分軸という基礎が完成した瞬間です。