健康・医療情報を見極める「いなかもち=かちもない」(くすり×リテラシー2020年3月6日3月12日5月26日10月16日2021年2月2日6月29日)の「か」は「書いた人は誰か」で、誰(どこ)が書いた(発信した)情報かを確認します。

 

誰がおすすめした情報なら信用できるかを調べた調査(ファン総合研究所2023年3月22日日経クロストレンド2023年4月9日)によると、1位は「友人や親しい人」(65.4%)、2位が「家族」(60.7%)の2つが断トツで、「専門家」や「インフルエンサー」をはるかに上回っていました。山口真一先生(くすり×リテラシー2022年6月10日6月23日)のコメント通り、知らない専門家よりよく知っている友人や家族の情報を信頼するというのはその通りだと思います(だからこそ、もし親しい友人や家族がデタラメな情報に凝り固まっていたら周囲が迷惑するのですが…)。

 

もう一つ、興味深かったのは、企業からの情報で信頼できるものとして、広告よりも「公式サイト」「店頭/イベント」「公式SNS」が高かった点です。記事を広告扱いするのは失礼な話(!)ですが、筆者も、マスメディアの記事やSNSで気になる情報を見かけたら公式サイトで確認するようにしていますし、その意味でも記事には元情報(論文や報告書など)へのリンクを付けてほしいです(くすり×リテラシー2023年3月30日など)。

 

もっとも、プレスリリースが報道機関にしか郵送されていなかった昔と比べると、“公式”へのたどりつきやすさは各段に増しています。逆に言えば企業(役所や大学も)はプレスリリースを消費者にも届く情報として見直したり(プレスリリースのメディア化、くすり×リテラシー2022年12月11日)、自らメディアを作ったり(オウンドメディア、くすり×リテラシー2023年2月19日)する方向に向かわざるを得ないと思います。そして報道機関は、“公式”情報に何らかの付加価値(解釈、反論、展望)が加わっていないとわざわざアクセスする意味がなくなります。