ロキが解脱してしまったのでさみしい。 | ぱんちゃんブログ

ロキが解脱してしまったのでさみしい。

どもー。

文字を書く気分にならないよ。でも無理やりでも書くよ。

 

最近マーベルズを映画館で見て、LOKI最終回をディズニープラスで見ました。

ロキよ、わたしを置いていかないでーーーそういう気分です。

 

LOKIは『マルチバースの秘密』を教えてくれたし、ロキは解脱してしまった!私たちは今まさに「マルチバース」を生きている。そのあたりはUOZAブログに書き始めているのでぜひ。

 

LOKIのネタバレになりますが、ロキは最後に本当の神になった。世界樹であるユグドラシルになったのです。なんて結末なんだ、、、、

 

●トリックスターのロキ

シーズン1の感想でも書いたけど、ロキはトリックスター。フェーズ3までは悪さをしていたけど、LOKIという物語では善を学んだ。

 

●未来で死んだロキと現在生きているロキ

ロキは2018年に死んだが、2012年から分岐した時間軸を辿りTVAという時間の無い場所へ。死んでしまった世界線のロキとは違うロキっぽさを感じるが、世界線が違ったとしても、ロキはロキでひとつの存在。それがマルチバース。

 

●時間を進めたり戻したり止めたりしてわかること

LOKIは「時間」がテーマでもあった。最後には時間の秘密を暴いたロキ。タイムスリップを習得、時間を止めることもできた。時間を止めるのが一番難しい。

 

わたしも時間を止めたことがある。うさんくさいがそんなうさんくさい話でもない。その時の話はこちらにあるよ。

 

時間の停止や、時間の巻き戻しや、繰り返し再生を実体験すると『この世界は消滅と再生を永遠に繰り返していて、それがこの世界の掟である』ということがわかる。体験すると、なんだかそれが身に染みるのである。

 

●永遠の解釈の違い

1.悪役 2.他者への慈悲 3.時間の理解 ロキはそれら全ての体験を経たのだから、あとは何をすればいいのかは自ずとわかる。強い覚悟を持って、全ての世界線を自らが繋ぎ止めること。ロキは「これまでの世界の破壊」と「新しい世界の再生」を行った。それがロキの考える永遠。一方、カーンはこれまでの世界が破壊されても「また同じ世界を再生」するという永遠。

 

●正義は勝つ世界、正義も悪も勝つ世界

これまでの世界は「時間織り機」でひとつの世界(時間)として様々な世界線がまとめられていたが、『悪は滅びる』というひとつの世界であった。だから悪役は虚無に捨てられ「正義は勝つ」という信念のもと神聖時間軸として束ねられていた。

 

最後に明らかになったことは「時間織り機」はあくまでも安全装置の役割を果たしているだけで、いつかは神聖時間軸に破壊がおきるということ。そうなったとしても、また作り直せばいいとカーンは言う。つまり、また神のような管理者をひとり置き「正義は勝つ」という世界にまとめる。自分ひとりの「正義」の定義で世界を回していくのが「神聖時間軸」である。
 

だが、ロキは「神聖時間軸」を新しい世界に書き換えた。「時間織り機(今までの世界)」を破壊し、自らが犠牲となって、どの世界線も剪定させない。人が望むもの、ありとあらゆる世界線を現実とする覚悟。世界には良いこと悪いことがあるが、全てを現実にするということは『正義も悪も守る』ということにもなる。

 

●ロキの覚悟とユグドラシル

その覚悟を表現するのが「世界樹ユグドラシル」。自然(世界)と一体になる、という感覚。そこには強い覚悟と強い信念が存在している。自然と一体になることは『自然を愛する』ということではない。


ロキはありとあらゆる世界線(善も悪も)を受け入れたから、自らも自然(世界)の一部となった。世界の一部となり中心で世界線の消滅を防ぐ。ロキは全ての世界線を担保するという、大きな責任と役割を負ったのだ。

 

●善を見つけるために悪が存在する

嫌いなもの、理不尽なもの、自分には理解できないもの。それらは悪である。けれど、悪には悪の苦しみがある。世界に存在する悪は必然であり、それも受け入れること。悪役のロキだったからこそわかること。

 

神聖時間軸で悪役であったロキは多くの人を傷つけ、死を迎えた。悪という経験の中から、自分の「本当の願い」を見つけた。仲間の人生を守ることは世界を守ること。それがロキに芽生えた善であり、ユグドラシルの一部になるという覚悟に繋がったのである。

 

自己犠牲=世界の全てを受け入れること。どんな世界であっても消滅させず、続けていく。それが永遠。永遠を理解したロキは全ての世界線を見守る時間の神になった。

 

●体と心、実体と仮想、男と女

あと、面白かったのはミスミニッツ。彼女は「在り続ける者(カーン)」の頭脳であり心。カーンが「体」ならミスミニッツが「心」。だから彼女は人間の体をほしがった。

 

体は男性性、心は女性性を表す。カーン(男)は心(女)を信用していない。だから神聖時間軸を作る時、一緒に勝利を勝ち取ったレンスレイヤーの記憶を消した。信用できないのは、男(体)と女(心)は別の存在で考え方が違うからだろう。シーズン1の最後にシルヴィもそう言ってた。考え方が違うと目的も別になってしまう。

 

カーンは、戦争に勝利した後、体(男)と心(女)を分離した。そしてミスミニッツという仮想の心を作った。「在り続ける者」の心は分離されたまま、実体(レンスレイヤー)から仮想(ミスミニッツ)へ。

 

●本当の望み

ミスミニッツは「本当の望み」を隠し持ちながら、システムを守る仕事をする。レンスレイヤーも「本当の望み」を隠し持ちながら、TVAを指揮する。だから二人は共闘するのだろう。ミスミニッツは実体になることを望み、レンスレイヤーは勝利を自分のものにすることを望む。

 

分離されてしまった心たち(ミスミニッツとレンスレイヤー)は自分に足りないもの(肉体・勝利・男)を補おうとするのだ。

 

ロキの頭脳であり心はシルヴィだった。実体があり、ロキが時間の移動をしても記憶を失わない女である。ロキはユグドラシルになることで「自由」というシルヴィの願いを叶えた。ロキ(男)とシルヴィ(女)は一体になったのだ。「本当の望み」が同じになったということ。

 

「神聖時間軸」は『正義が勝つ』という単純なシナリオであるからカーンは全てを決めておくことができる。そのシナリオの中で予想外の動きをするのがトリックスター。悪であったのに善を働くロキ。悪のロキと善のロキ 。それがロキとシルヴィである。

「クアントマニア」見る前に「ロキ」のおさらい。

 

↑シーズン1の感想を引用。悪のロキと善のロキ(シルヴィ)と言ったのは、悪だったロキが、善を教えてくれるシルヴィに出会ったから、世界を守ることができたということ。ロキはシルヴィの「願い」を汲んだから善を学んだ。

 

男であれ女であれ「本当の望み」は元をたどれば人類皆共通。心の中にあるその望みに気付けるかどうか。

 

●自己犠牲で物語を書き換える

ロキとカーンの違いは、新しい世界を再生するのか・同じ世界で再生するのかというところ。けれど、自ら新しい世界を再生することを解脱と言う。自己犠牲だけが新しい世界を生む。世界の破壊を他者に任せるのか、自分自身で破壊するのか、も重要です。

 

人は死ななきゃ永遠であることの尊さがわからない。ロキは神聖時間軸で死を体験している。だからこそ物語を書き換える力を持っているのだ。

 

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ロキの死は未来に起きている。LOKIの世界線は2012年。神聖時間軸で死んだのは2018年。未来の死を知ることの意味。わたしたちも、未来で死んでいるから今現在を生きている。

 

未来の死を経験することで「生きる」という行為の中に『本当の望み』を見つけことができる。さらには「未来の死」と「現在の生」との繋がりを理解する。危機の中で人は世界と時間の本当の意味を知るだろう。

 

大切な人の危機は自分の危機。もうすぐそんな瞬間が訪れるかもしれません。オカルト界隈では2024年とか2025年あたりが騒がしいですね。戦争とか気候変動とか未知のパンデミックとか、そういう自分一人でコントロールできないものに注目するより、ごくごく個人的な人類滅亡に目を向けるべきだ。世界は自分の手の届く範囲にある。

 

あ、もちろんマーベルズもおもしろかったです。