対馬のサツマイモを発酵させたデンプン・食物繊維からなる保存食になります。数年間保存が可能です。
せんは方言で「デンプン」を意味します。
このせんを使ったせんだんごや六兵衛(対馬に伝わる麺料理)の材料ともなります。対馬地方ではせんの事を特にサツマイモのデンプンをさします。
せんは、破砕したサツマイモを水に漬けてから乾燥などの工程を経てデンプンを取り出し、乾燥させて作ります。
小型だったり傷がついたりして食用になりにくいものを有効利用するために作られていたが、近年では大型のサツマイモも使われています。
対馬は島の全体の90%近くが山間部になっております。
山間部のひとつの特徴ではありますが、田畑の耕作が難しく米・麦の収穫がほとんどあります。日本人は米・麦は主食として使われていました。その米・麦が採れないため江戸時代には度々飢餓になる事もありました。その中で栽培のしやすかったデンプン質のサツマイモは急速に広まり重宝されてきました。
また市場には流通できないようなものを無駄にせずに何かに使う事はできないか?またその土地で収穫できるものの中から何かできないか?という想いなどから出来上がったもの。
このような特徴は発酵食品・保存食について言える事なのでしょう。
発酵食品は全国で統一された技術や原料が確立してから広まったものではなく、その地域・土地での風土や価値観また必要に応じて、そして無駄にしたらもったいないという精神から出来上がり人々によって伝承されていきました。
伝承されたものは改良をくわえられ徐々により広い地域で伝わるようになります。そのように出来上がった発酵食品は、ほかの土地に持ち運ばれるようになると珍しく扱われるものもあり特産品へと発展していきます。
特産品として口伝えに良いといううわさの広まったものは中には発祥した土地での需要より高い需要で取引されるものもあったのでしょう。現代でも手土産としても重宝される傾向があります。
広まり方に関しては、統一されたものはないと想像されますがその土地に住む人々の中で少しずつ浸透していったものが人の流通(動き)にあわせて道ができ広まったものといえるのかもしれません。
現代全国にある道の駅とは国土交通省と地域のシンポジウムの中で考案されたものです。地域で人気のあったものや独自のサービスを提供する場となっています。道のあるところにはものも流通しやすい傾向になりそこでは様々な価値提供がおこなわれるといえるでしょう。