舞昆(まいこん)とは塩昆布の仲間で大阪の老舗こうはらさんのオリジナル佃煮です。
地域性のある食品ではなくこの舞昆を選んだかというと、ラインナップが多いことと老舗の味というところに注目しました。
またもともと発酵しない昆布を発酵させようとしたところに面白みを感じますね。
リンゴやパイナップルの味付けに果物を使用。
普通の佃煮にはないまろやかな味を出すことができます。
もとは昆布屋さんの開発した舞昆は56種類もあり、全佃煮のラインナップの1/4を占めます。熟成期間は3年!
大阪府立大学との共同研究を行い、昆布のほかに玄米や桑の葉も発酵原料に加えることで、機能性飲料にもよく含まれているギャバ(GABA)がたっぷり含まれる健康にいい塩昆布に仕上がりました。
また使用されている舞茸も研究を重ね、舞昆用に開発した黒舞茸になります。
老舗の底力を感じますね。
ここであまり聞きなれないGABAが出てきましたが、抗ストレス作用があります。交感神経系のアドレナリンのを抑制する働きがありストレスを和らげ神経を落ち着かせる働きがあります。
ぬか漬けやキムチ・ヨーグルトにもこのGABA成分が含まれています。
発酵食品の特徴として、
●保存性がある
●栄養価がある
●美味しさアップ
●吸収率があがる
●腸内環境の改善
などがあげられます。
保存性については、
乳酸発酵により乳酸が生成され、酸性下では存在が難しい腐敗菌が繁殖しずらい環境を作る事ができるためです。
栄養面では、
発酵過程で酵素やアミノ酸、ビタミン類が加わり発酵前より栄養価が上がります。がん抑制や成人病予防にも効果がある事がわかっています。
うま味がアップの正体は、
発酵菌の働きで分解されたアミノ酸や核酸のおかげです。
からだを作るたんぱく質は20種類のアミノ酸によってできています。そのうち9種類が必須アミノ酸で体内で生成すいる事が出来ず外部より摂取する必要があります。
アミノ酸の一種のグルタミン酸の大量生産の研究によって今では様々なアミノ酸を生成する事ができるようになりました。
核酸は細胞が新しく生まれ変わるために必要な物質です。
発酵食品には食物繊維やオリゴ糖の腸内細菌のエサとなるものが多く含まれているため腸内環境の改善にもつながります。
保存性に優れているだけでなくうま味や栄養価アップにもつながっているのですね。
その土地の風土や食文化により継承されている発酵食品。
この伝統的な舞昆にもこのような背景が見え隠れするようです。