29.金山寺味噌(和歌山県) | 全国いろいろ発酵食品

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全国の発酵食品を発掘してみたいと思います!

味噌には普通味噌と嘗味噌が大きくわけてありますが、金山寺味噌は嘗味噌になります。

作物が少なくなる冬に野菜を通年食べられないかと保存食として貯蓄されるようになりました。

 

由来には諸説ありますが、中国より和歌山県の興国時に伝わってきたのが有力とされています。径山寺味噌(かいざんじみそ)を改良したのが金山寺味噌といわれています。

 

味噌の歴史は古く中国から伝わった醤(ひしお)や豉(くき)が起源です。醤は野菜や肉・魚を塩漬けしたもので現在の醤油(魚醤に近い)のようなものです。

 

味噌は未だ醤油にならないものという意味で未醤(みしょう)という言葉がうまれます。みしょう→みしょ→みそというわけです。

 

大豆発酵食品は地域ふごとに特色があり、独自の発展・製法・原料と多岐にわたります。

 

味噌を分類でみていくと、米味噌・豆味噌・麦味噌と大きくわけられます。米味噌が全体の80%を占め豆味噌・麦味噌がそれぞれ5%ずつ、そのほかの味噌(調合味噌、米味噌や麦味噌・豆味噌を混合したもの)が10%という割合になっています。

 

生産量から見ていくと米味噌が多いのですね!

 

では味の分類からみていきましょう。

甘味噌・甘口味噌・辛口味噌を大きく3つわけられます。

麦味噌は甘口味噌と辛口味噌にわけられます。

 

麹の割合が多いほど甘口になります。

和食にはかかせない麹は繁殖する時に酵素を作りだします。

酵素には代表的なものとしてアミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼ・セルラーゼがありますがこの中でもプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)が味噌製造には関わってきます。

 

麹の原料には米を原料とした米麹、麦を原料とした麦麹、大豆などの豆類を原料とした豆麹があります。

例えば米味噌であれば米麹に使われます。

 

麹は原料となる穀物を蒸して種麹を付けて繁殖しやすい種室という部屋で培養します。

種麹とは、麹菌を培養してできた胞子を乾燥させたもので、「もやし」とも呼びます。

米麹であれば精米→洗米・浸漬→蒸米→種付けという流れになります。種付けは原料が30度~40度になるまで待ちます。

様々な麹菌の種類によって調整は必要になります。

 

色による分類ではどうでしょう?

白味噌・淡色味噌・赤味噌にと大きく3つにわけられます。

これはおもに熟成の期間によります。

 

同じ原料でも色が異なることがあるのですね。

熟成期間が短いほど白、長いほど赤(黒)に近づいてきます。

 

またこれは原料の麹量・製造工程によっても変わってきます。

 

味噌を熟成させるとたんぱく質が分解されてグルタミン酸のアミノ酸が生成されてきます。これが味と香りにに影響を与え、味噌独特の香りが生まれます。

 

金山寺味噌のようなおかず味噌にも様々あり、練り味噌・焼味噌・柚子味噌・蟹味噌・鯛味噌などがあります。

 

地域ごとの歴史と風土によって地方に様々な味噌ができあがってきたのですね。このような調味料を見ていく事でも地域の特色が見えてくるのかもしれません。

 

先人の知恵が見え隠れして面白いですね。

様々な地域の調味料をみて色々と感じていけたらいいねすね。