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「めふん」とは塩辛の一種。
オスの鮭の中骨に沿ってついている血腸を使った塩辛のこと。
そもそも塩辛とは、「発酵力で魚介のうま味をひきだします!」
魚介類の身をその内蔵と一緒に塩漬けにして発酵させた保存食が塩辛。
腐敗を防ぐために塩漬けにしておいた魚介類が自己消化発酵によってできたものです。
インドシナ半島からミャンマーにかけては塩辛は日常食として親しまれています。
日本では酒の肴や珍味としても重宝されています。
この塩辛を腐敗とする文化圏もあることから人間の感じ方が国・文化によって
異なることがわかります。
ここで発酵とは?について少し触れておきたいと思います。
「発酵」とは微生物の働きの一種。
んー、わけがわかりませんよね。
微生物って普段の生活では目立って気にすることはないはず。
目に見えないものを気にする事も難しいといえるのではないでしょうか。
少し難しく表すと「微生物が嫌気的環境で代謝をし有益な物質を生成する過程のこと」
この微生物のことを(発酵菌)と言います。
実は、発酵と腐敗は同じ現象でどちらも微生物の生命活動の一環で有機物を分解し
新しい物質が生成される現象をさしています。
この2つを分けるものは何か?というと、生成された物質が人間にとって、有益か有害か。
前述のとおりこの有益・有害の基準は国・文化によっても異なります。
そう、物事の捉え方によって変わってしまう曖昧なものなのです。
16世紀に来日したポルトガル人の宣教師フロイスは、
「魚の腐敗した贓物」と表し塩辛のことを腐敗と伝えています。
文化の違いを顕著に表した伝えと言えますね。
発酵は進むにつれ味・香り・色などを人にとって有益なものに変えていきます。
それに対して腐敗は有機物を硫化水素やアンモニアなどの腐敗臭を発生させ
最終的には食べられない有害なものに変化させます。
価値観によって異なりはするものの似て非なるとはこのような事を
言うのではないでしょうか。
ある文化圏から見ると信じられないと思えるような事でも、
当たり前としているところもあるとは面白いですね。
さて、発酵に関わる微生物の(発酵菌)に対してこの微生物の事を(腐敗菌)と言います。
発酵食品が保存性が高いのは、腐敗菌より発酵菌の方が生命力が強いことに所以します。
全国各地では色々食材で作られた塩辛が保存食として活躍しています。
例えば、
●北海道のめふん(サケの腎臓の塩辛)
●岐阜県・熊本県のうるか(アユの塩辛)
●富山県の黒造り
●高知県の酒盗(カツオの内臓の塩辛)
●石川県・愛知県のこのわた(なまこの腸の塩辛、からすみやウニとともに日本三大珍味のひとつ)
●佐賀県のがん漬け
●沖縄のすくがらす
など。
代表的なものにはイカの塩辛があり、
白造り・・・イカの身と塩のみ
赤造り・・・内臓を加えたもの
黒造り・・・イカ墨を加えたもの
に分かれています。
塩分濃度は8-15%程度ですが、4-8%の低濃度のものもあります。
うるかは塩分濃度17%程度と塩辛くビタミンAが豊富。
海外で見てみると、
●マレー半島からインドネシアにかけてのシュリンプペースト(オキアミや小エビが原料)
●マレーシアのブラチャン
●インドネシアのトラシ
●タイのカピ
などがあります。