にほんブログ村
脳卒中・脳梗塞ランキング
⭕脳卒中(脳出血・脳梗塞)発症→弛緩性麻痺→痙縮→拘縮(末端の線維化)‐2
続きです。
正常時は脳から指令が錐体路(筋肉を収縮させるアクセル役目)と錐体外路(アクセルの踏み具合をコントロールする役目)で機能しています。
ところが麻痺を起こすと、運動神経の通路である錐体路(皮質脊髄路)が遮断(=脳からの指令が出ない・伝わらない)されて、残った錐体外路が活発に活動(アクセルの踏み具合をコントロールする役目なのだが興奮して強く踏む)するために、筋肉が過剰に収縮してしまい、筋肉の緊張が強い状態が発生します。
これが麻痺からの痙縮・拘縮が起こる流れです。
⭕要は末端(筋肉)から見れば、
脳卒中(脳出血・脳梗塞)発症後は、脳からの指令が出ずに
① 脊髄反射(麻痺側の伸張反射亢進による=痙縮)と
② 血流障害(麻痺側の筋肉が動かない=筋肉ポンプが作動せずに血流障害・低酸素状態・慢性的炎症による正常とは異なる生体修復反応である線維化=拘縮)
の状態にあるのです。
そして、次第に
①麻痺側の手足が動き出すと痙縮は減少(前回に詳細あり)して、
②脳からの指令が出ないために筋肉ポンプが作動せず、血流障害による線維化の拘縮が運動障害の一番の原因になって行く
と、私は考えています。
備考→錐体路(皮質脊髄路)は大脳皮質から発生し、運動線維の脊髄までの通り道で骨格筋に対して指令を伝えて 体や顔の筋肉を随意的に動かすことに対して、錐体外路はそれらの筋が滑らかにバランスよく動くよう、運動の細かな調節を無意識的に行っています。
参考図→拘縮・DearCARE(ディアケア)
参考図→拘縮のメカニズム・DearCARE(ディアケア)
とくに寝たきりによっておこる拘縮を廃用性拘縮といいます。
海外では、入院早期から身体を動かすリハビリが行われます。これは現在の日本でも同じです。
しかし、北欧や多くの先進国での
基本は
「本人ができる事は本人にしてもらう」を前提としています。
本人のペースで食べるので誤嚥
や拘縮も起こし難くなります。
特に、海外では食事は自分で食べることが困難になった場合は積極的な延命措置を実施しないと聞いています。
◎脳卒中(脳出血・脳梗塞)発症した直後は、(通常は骨格筋は軽い緊張状態を呈しています)脳からの指令が出なくなって弛緩性麻痺で麻痺側の筋肉がダランとしていますが、
入院中に痙縮と拘縮(末端の線維化)がほぼ同時に進行して行くと考えています。
入院中のリハビリは実施されているものの、ほとんどベッドに寝たきり状態ですので、筋力の低下も痙縮と拘縮に拍車をかけて進行します。
ましてや、麻痺側の手足は健側の手足に比べて使用する機会が著しく低下しますから尚更です。
現行のリハビリは痙縮を問題し過ぎで
①麻痺側が動き出して脊髄反射の痙縮の減少すること
②リハビリで反復運動を続けると筋肉が疲労して硬くなって行くこと
③末端の線維化の拘縮すること
には殆ど言及していないのが現状だと思います。
筋肉を充分に解し柔らかくせずに硬いままでリハビリ(現行)をしていますから完全麻痺からの完全回復は困難でしょう。
特にぶん回し歩行の完全回復のためには上・下行性の改善と共に、
① ビューティローラー使用で筋肉を解し柔らかくして拘縮の改善すること
また、
筋肉を解し柔らかくする事で
② 強制的・受動的に手足が動かされる=運動させられている事と似た効果
【≒(nearly equal)心臓マッサージでの蘇生効果】
も同時に起こり、好循環(+のループ)モードに入ります。
まさに一石二・三鳥です。
そのためには、
体を元に戻すという意識レベルではなく
アスリート並みの筋力
柔らかくしなやかな筋肉
を目指す意識レベルで臨むと、完全回復への道が開かれて行くと思っています。
理由は、何度も述べましたが、脳卒中後遺症の運動障害からの完全回復は、言わば「末端の線維化=拘縮+老化」vs「筋肉を柔らかく血流改善」との戦い・競争だからです。
② 麻痺側のお尻・腰のコリ・張りが溶けて、腰が後ろからくの字に凹み入り込むようにすると良い(経験した本人でないと分からない感覚で、一番重要な必要不可欠な感覚状態です)
しつこい、
深部のコリを溶かす為に、股裂きマシン=aductor (アダクター・内もも)→腰を前後左右・左右回転(時計回り・反時計回り)させて動かして柔らかくする+ビューティローラーを麻痺側の腰にあてています。
参考→3Mメソッド−各論−9−2(内反尖足の改善)