読書 ~『子供の名前が危ない』~ | 相澤千咲のブログ ~パンダのしっぼは黒じゃない!~

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アラフォー女子による、(実は)ミーハーな日常

★『子供の名前が危ない』 牧野恭仁雄・著、KKベストセラーズ・刊(ベスト新書)、2012.01、\686+税


著者は命名研究家で、“これまで10万人以上の名づけ相談を受け、100万をこえる名前の候補にコメントしてきた名づけの第一人者”だという。

「はじめに」には、大きなふたつの名づけの法則として、“ひとつ目の法則は、名前自体で本人の生き方か決まることはないが、親の無意識のなかにある感覚は子供の生き方に大きく影響していくということ、そしてふたつ目の法則は、名前の流行は世相をあらわすということ”と書いてある。

しかし、“名前は世相そのものをあらわすのではなく、日本人の欠乏感をあらわしている”という。たとえば、戦争に勝つ自信を失うほどに勝利・勇・武などが、食糧不足の時代には茂・実・豊などが、医者がいなかったころには久子・千代などが…すなわち“その時代に強く求められながらも、手に入り難いもの”があらわされた。武田信玄・上杉謙信・織田信長など戦国武将の名に「信」が多いのも、信じられなかった時代だから。昭和の終わりから平成にかけて、女の子に愛や愛美が多かったのも、“愛というものに欠乏感を抱いていた人が多かった”から。

平成になってからは、動物・植物・天体など大自然をあらわす字や、大・優がつく名前が増えているという。つまり、そういうことに飢えているのだ。

“親の無意識のなかにある感覚は子供の生き方に大きく影響していくということ”についても、“不安感から名前をつけられた場合は、名前負け、つまり名前と本人が逆になる、ということがよくおきる”などが、エピソードとともに説明されていた。


古代の日本でつけられた名前として、伊多知(いたち)・宇奈岐(うなぎ)・雷(いかづち)・談(かたる)などが挙げられていた。いま考えると“珍しく奇抜な名前”だろうが、当時は一般的だったのかも知れないという。


古代の名前ということでいうと、大好きな兄弟がいる。716年の遣唐使として入唐した羽栗吉麻呂が、唐の女性との間にもうけた兄弟…兄が「翼(つばさ。たすく とも)」、弟が「翔(かける)」。

今でも男の子の名前ベストテンに入りそうなのに、実は1300年前の名前。浪漫とともに、日本に帰りたいという強い願いも感じられる。素敵な名前だと思う。