ある人事担当者の方から相談です。
「社員を認めることを優先すると
それを鵜吞みにして本質が伝わらない。
どうしらいいでしょうか?」
読者のみなさんは、どう回答しますか。
『本質が伝わらない』を
『叱りたいことが伝わらない』と解釈して考えてみましょう。
◆相手を認めることはとても大事なこと
相談者のように社員を認めることを
優先すること自体は好ましいことだと考えます。
人は特性上、危険を防ぐために
どうしても相手の欠点を探し出して否定しようとします。
否定された相手は心を閉ざして自己防衛してしまうので
逃げるか反抗するか指示待ち的な態度をとります。
自分の身を守るためです。
そうならないために、
相手を認めることはとても大切なことです。
例えば、こちらから笑顔で挨拶することは
相手の存在自体を認めることになります。
日々の業務でも当たり前のことでも
「おつかれさま」と労うことも認めることです。
意見やアイデアを出してくれたことに
「そう考えているんだね」と共感することも
相手を認めることです。
相手は自分の存在、考えや行動を認めてもらったことで
安心することができ心を開いてくれます。
ただ、モチベーションアップのために褒めることが大事だからという理由で
表面的に褒めてしまうと本人が勘違いしてしまう可能性があります。
◆褒める目的とは!?
思い出して欲しいことは、褒めることの目的です。
褒める目的は、社員として相応しい行動を称賛することです。
社員がその相応しい行動を繰り返して欲しいからです。
ちなみに逆に叱る目的は、
社員として相応しくない行動を止めてもらうために行います。
そこで、褒める目的を果たすために
褒める理由の共有を社員としてみましょう。
褒められた本人がなんで褒められたのか
分かるようにしてあげることです。
例えば「今月の売り上げがあがったね。すごいね!」
と社員を褒めたとき、社員は
『あっ褒められた。私って優秀!嬉しい!』と思うはずです。
しかし、これで終わってしまうと
『私は優秀だから次も大丈夫』という考えになってしまいがちです。
これでは、次も同じようにできる保証はありません。
なぜなら、どのようにやったのか言語化されていないので再現性がないからです。
◆社員の意識や行動を言語化してあげる
そこで、「すごいね!」と褒めた後に
「それって、どうやってやったの?」
「どうしてやっての?誰のため?」
「何を意識してやったの?」
と質問してあげるのです。
すると、社員は自分がした行動やどんな意識でやったのか
思い出すことができます。
自分の行動や意識を言語化することで
「あっ、こんな風にやったんだ。
そうだ、お客様の思いを大切にしたんだった。
私って、意外にできるんだ」と
自分自身の中で有能感、関係性、自律性を持てるようになります。
社員が主体的になっていく瞬間です。
◆叱りたいことは社員が主体的になってから
そこで、もし叱りたいこと(足りていないこと)があれば
ここでアドバイスをしてあげてください。
例えば、「社内のメンバーに情報を共有し合うと
もっと売り上げがあがると思うよ」と。
社員が心を開き主体的になった状態で
アドバイスしてあげると
本人は納得して受け容れます。
結局、社員に叱りたいことが伝わり
社員として相応しい行動をとるようになります。
◆今回の質問
【どんな褒め方をすれば、
社員として相応しい行動をとれるようになりますか?】
次回に続けます!お楽しみ!
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