希望の党の小池百合子代表が人間を「排除する」と言ったらしい。

東京都のリーダーでもあり政権を狙う党の代表である人からそんな言葉が出る時代。

 

まさに世も末だ。

 

長年、バンドを運営してきとる。

バンドの運営は政治的であり、ある意味、独裁。

そうじゃないとバンドは進められん。

 

だで、力が足りんと思ったメンバーを排除しようとした過去もある。

でもその排除という行為はバンドの音楽を本当の意味で豊かにすることには繋がらんことも今は知っとる。

その時々で使えるメンバーだけを集めてやるバンド、それはただのバックバンドであって「バンド」じゃない。

 

働き蜂の法則だっけな?

どんな集団でも構成するメンバーのうち、めちゃくちゃ働くメンバーは5人に1人で、逆に必ず5人に1人は全く働かないメンバーが生まれるとかいう法則。

そのめちゃくちゃ働くメンバーだけで新たに集団を構成しても時が経てば同じ割合になるし、もちろん働かないメンバーだけで構成しても同じ。

 

この法則はバンドでも見事に当てはまる。

だいたいどのバンドにも1人はちょっと努力が足りんかったり発言力がないメンバーがおるら?

 

それを排除するのは簡単。

でも排除したところで実は何もいいことはないんよ。

排除して使えると思う奴を新加入させたところで、時間が経てば必ず、そのメンバーのうちの誰かの働きが悪くなる。

バンドが固定な集団である以上、この法則からは逃れられんのかも。

 

だで、そのちょっと努力が足りないメンバーは自ら気づいて頑張るしかない。

ろくに努力もせずにその立場に甘んじたらバンドは停滞するし、下手したらそのバンドは終わる。

 

バンドってホント面倒臭い。

 

ちなみに、ワシが21年前に立ち上げたハンサム兄弟でも活動休止直前は他のメンバーにいろいろ任せすぎてワシ自身の働きが悪くなって発言力もなくなった。

唯一のオリジナルメンバーでありバンドのイメージと作詞作曲のほとんどを担うワシでさえそんな状態に陥りかねんだよ。

 

バンドってホント難しい。

 

だからこそ、若いシンガーにはバンドをやれって思う。

もちろん都合がいいメンバーばっか集めたバックバンドじゃなく、生き物としての「バンド」をだ。

「バンド」を経験しとらんシンガーソングライターは絶対に行き詰まる。

 

シンガーソングライター中心のフェスに参加していろんなシンガーのライブを見てふとこんな事を書きたくなった。

 

バンドは最高だぞ。

苦労も多いけどメンバーの誰もが最高すぎて世界最強バンドじゃないかって思えた時代もあった。

その時代がまさにバンドとしての全盛期なんよな。

そんな全盛期も数年しか続かんかったけど、それを経験しとることは今後の音楽活動においてデカい財産。

 

2011年にデブパレードが解散し、その数年後にハンサム兄弟も活動休止になって、バンドマンとしてもう終わりかと思った時期もあった。

ウクレレでのんびり音楽を楽しむだけでもいいやって思っちゃった時期も一瞬あった。

 

でも、やっぱバンドやらんとダメだったんよな。

そんで3年前、HANZI BANDを半ば強引に立ち上げた。

そしてワシ史上最高の音源「ロックスター」が完成して11月にリリースされる。

 

 

そんなバンドマンとして最高な状態だからこそ、また新たなバンドを立ち上げた。

満を持してのジャズバンド「ゴリラ人間ズ」だ。

ロックバンドとして最高の音源ができたからこそ、ジャズバンドをやる決意が固まった。

 

実は、昔から家ではロックもパンクもほとんど聴かん。

聴くのはもっぱらジャズというかマイルス。

 

そんな個人的な趣味を全面に出すバンドがゴリラ人間ズ。

 

10何年か前に、ブルーハーツに憧れたバンドマンがブルーハーツみたいなバンドをやって売れちゃっれ時代があった。

そんなピュアなバンドマン達が羨ましかった。

ワシにとってのその憧れの対象はヒムロックなんけど、ワシがヒムロックみたいに歌ったところで話にならんし(笑)

 

でもジャズならそれが出来る。

ワシにとっては音楽そのものの初期衝動がジャズなんだでね。

 

HANZI BANDが固定メンバー制のロックバンドに対してゴリラ人間ズはメンバー流動的ジャズバンド。

流動的と言っても初ライブをやったメンバーが最優先メンバーであることは当然で、その最優先メンバーのスケジュールが都合つかんかった場合は別のメンバーとセッションするって体制。

 

実際、GO AROUD JAPANでは最優先メンバーのウエダテツヤがムシャクシャのツアーで参加できんかったんけど、その代わりに自転車操業ズでも一緒だった高橋コウスケがドラムで参加してくれてこれまた違ったカッコよさを出せた。

 

 

マジでいいメンバーに恵まれとるわ。

ちなみに、このピアニカの人はこのフェスで勧誘した(笑)

 

メンバー固定制バンドだと働き蜂の法則が当てはまるけど、メンバー流動的バンドだとそれがない。

だってお互いにカッコ悪いことやったらそれっきりってことが大前提だでね。

メンバーの卒業と新加入を繰り返すアイドルグループ的でもある(笑)

 

この2本の軸があればどんなイベントでもバンドで対応できる。

 

我ながらこれはバンドマンとしての大発明だと思う。

 

こんなジャズバンド、他にないら?

 

いよいよラーメン屋のBGMに成り下がったジャズを救う旅が始まる。