チビが輿入れの日。
朝からジョリは私の周りでしきりに鳴いていた。
「ジョリちゃん、どうしたの?」と言いつつも、
実はジョリにはチビがもらわれて行く事が
分かっているのではないだろうか?と思った。
この2,3日、ジョリはチビの面倒を本当によく見てくれていた。
一緒に本気で遊んでいた。
チビはジョリに甘えて顔を摺り寄せていた。
息子に言うと
「アンタは何でもそういう風に考える」と非難された。
しかしチビが行ってしまったあとのジョリは
しょんぼりとして、声までが変わってしまった。
(これが怖い!チビの声がジョリに乗り移ったと思えるほど
ダミ声になってしまったのだ)
どこか具合が悪いのではないか?
そんな風に心配するほどだ。
「ジョリちゃんごめんね」と詫びるばかりだ。
さて、一方の主任と来たら、
ここ一週間、臍を曲げて、
ほとんどの時間を一人で二階で過ごしていたのに、
チビが去った後、食事をする我々の傍で、ニコニコしている。
「主任が笑ってる。ご機嫌だね」と言う私に
「本当だね、こいつ笑ってるよ」と言う息子。
絵に描いたように嬉しそうだ。
一晩と一日経って、
ようやくこの二匹にも元の生活が戻ってきた。
二匹が家中を追いかけっこで駆け回っている。
その足音が、ジョリの寂しさがまぎれている事の証拠だし、
主任の曲がったお臍も元に戻りつつある証拠だ。
![ネコ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/014.gif)
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