別れはいつも辛いもの | ネコに学ぶ21世紀を生き抜く法

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ある日仕事場に電話がかかってきた。

「子猫が橋の下で鳴いているの。あなたなら何とかしてくれるって聞いたから」

オイオイ!誰だい?そんなことを言ったのは。

「捕まえられたら保護しておいて」と言っておいた。


それから一週間近くして、別の人から電話が来ました。

「捕まったの~。取りに来て」


一月半は立っているかな?去年のジョリ子よりはちょっと大きいくらいだ。

驚いたのはトイレとベッド用箱を部屋に置いて、一晩を過ごさせたら

朝には、ちゃんとトイレを使っていた。

この月齢の子は大抵トイレを覚えるまでに4~7日はかかるのに。

なんて子だ!


それに只の茶トラでは無かった。

トラ模様はほとんど無く、背中に十字架を背負っている。

おでこにはVサイン。

これはキリスト様の祝福を受けてこの世に来たに違いない。


子猫を欲しいと言っていた人を思い出し、早速連絡を取ってみた。

「是非」とのこと。

日曜日にはご家族全員で東京から取りに来てくれると言う。


しかし、子猫と言うのは一晩でも置いてしまうと、情が移る。

まして背負った十字架と言い、トイレの苦労が何にも無かった事と言い、

既にこちらがメロメロになっているのだ。


どうもノラの子らしい。人間を見ると逃げる。隠れる。

それでもその可愛さ、愛おしさは、ノラなら格別の事。

逃げながらも、抱き上げると頭をこすりつけてくる。

ゴロゴロと人間の顎にかみついて親愛の情を示す。

本質は甘えん坊で、寂しがりやなのだ。


後三日。この子と過ごせるのも後三日のみとなった。

望まれて里子に出せるなんて滅多に無いことなのだから

有り難うと言って、可愛がってもらおう。

幸せにね、と言って送りだそう。


「あんたは冷たい。雌だからって里子に出すんだから」

息子はそう言って私を攻める。

そうですそうです。ミシェルを失った私はどうしても男の子が欲しかった。

認めます。

しかしここまで可愛いと雌でも雄でもそんなことはどうでも良い。


でもね、あんなにネコが欲しくて待っていた人に、

今さら「あげません」なんて言えないよね。


きっとどこへも行く当ての無い子が来るから、

その子のために空を作っておいてやろうよ。

もらってくれる人が居るときは喜んで差し上げようよ。

別れは辛いけれど、絶対にこの子は幸せになるから。


とは言いながら

「飼えなくなったり、手に負えなくなったら何時でも返して下さい」

なんてメールに書いちゃった!


ところで何で酒屋のオッちゃんや回りのお母さん達が

あの子を必死で保護したかと言うと、

最初は二匹で居たそうです。

ところが酒屋の奥さんが

もう一匹が車に轢かれるところを見てしまったのだそうだ。

それで放って置けなくなったのね。

このチビは本当に幸せ者です。


みなさ~ん有り難う。

チビに変わってお礼を申し上げます。

きっと皆さんにいいことが起こりますよ。

ネコは恩返しが上手だからね。