チェコの作曲家でフィビヒという人がいる。
滅多に取り上げられないけれど、うちでは彼の“ポエム”は
以前から結構出ている。
今回このフィビヒの作品を集めてコンサートを開いた人たちがいる。
ポエム以外は“気分、印象と思いで”くらいで後は
ほとんど知られていないフィビヒ。
彼らはそのフィビヒの作品一覧本をチェコから取り寄せるところから始めた。
そして入手したのがメロドラマ“湖の主” 作品15だ。
メロドラマとは朗読にピアノが伴奏をつけると言う形。
歌曲に至ってはチェコでも入手できず、偶然アメリカの図書館で
見つけたとのこと。
楽譜取り寄せをお手伝いした我々にも彼らの熱意はひしひしと感じられ
演奏を聴くのががとても楽しみだった。
フィビヒの美しさ、演奏の素晴らしさ、企画の素晴らしさ。
この演奏会のミソは演奏者が単なるピアノを学んでいる人たちでは
ないと言うところだと思う。
それがこのフィビヒを取り上げると言う発想の原点ではないだろうか?
しかしながらその演奏は単に指が廻る、良く弾けている等の領域を
遙に越えて、哲学的とでも言ったら良いか、
とにかく聴き手を充分に満足させてくれた。
これからはこんなコンサートが増えて行くのだろうか?
いや、増えていって欲しい。
本当に素晴らしい作曲家をどんどん取り上げて欲しい。
本気で、それらの作曲家に取り組んで欲しい。
それが何れ日本の音楽界を変えてくれることに繋がると
期待が膨らんだ演奏会に乾杯!!