15年前、働かなくてはならない状況になった。この年で(今より15歳は若かったのに)私に何が出来るだろう?
そう、何の資格もなく、まじめに働いた経験もないこの私に・・・
唯一つ私の知っていたこと、ちょっと気になっていたことは、鎌倉にはすぐに楽譜が手に入るところがないということ。
そうだ!これだ!楽譜屋をやろう!!
実は(一つ目の告白)楽譜のことについてな~~んにも知らなかった。バッハとモーツアルトとベートーベン
くらいは知っていたけれど。
空想の世界で思いついた楽譜屋。そこへ知りたがりの犬が来て言った。『手紙くらいなら書いてあげるわよ 』
実は(2つ目の告白)知りたがり犬ワンは楽譜屋がこんなにややこしくて、細かくて、率の悪い仕事だと知ら
なかった。空想を漂う猫にゃーだって同じだ。
でもにゃーは言いだしっぺだからいいとしても、このややこしい仕事にこんなに長く深入りするとは思ってもいなかっただろうワン。
これが知りたがり犬と空想の世界を漂う猫との二人三脚の始まりだ。