2016年阪神タイガースライバル球団新戦力チェック「中日ドラゴンズ」
2015年対戦成績:16勝9敗 防2.89 打率.237 ホームラン12本、かつての投手王国の面影が消えて久しい中日。阪神は、そんな相手に同一カードで貯金7を稼いだいわばお客さん状態でした。9敗のうちの3敗はエース大野に対してであり、その克服が求められる。
ドラゴンズは4番大砲の座が固定できるか
名球会入りしているレジェンド級の相次ぐ引退で、否応なしに世代交代の波が押し寄せてきています。投げるたびに記録更新だった山本昌、プロ野球記録の出場試合数を誇る捕手谷繁、辞める間際までクリーンナップを任されていた和田に代打の切り札の小笠原、そしてかつての竜のエース川上とすべてが現役引退。
一気にこれだけの人材がいなくなったので、なかなかチームの立て直しは難しいでしょう。そもそも中日の強い時には、投手陣中心とした守りの野球でしたが、4番にはタイロン・ウッズやトニ・ブランコといった大砲がどっかりと座っていました。そのポジションにはめるために獲得したのが、ダヤン・ビシエドです。かつてホワイトソックスでレギュラーとして活躍していたようですが、日本野球にフィットするのか、シーズンが始まってみないとわかりません。
新外国人のスカウトには定評がある中日です。そのほとんどを森 繁和ヘッドコーチが担っていますが、今回おめがねにかなった選手がビシエドなんでしょう。2012年からメジャーの場で3年連続二けたホームランを記録した実力を発揮してくれれば4番の座を守れるかもしれません。そうなれば昨年、しっかり抑え込んだ阪神投手陣としては簡単にはいかなくなります。
群雄割拠のドラゴンズの外国人枠
2016年の中日は外国人7人体制である。昨年から加入している投手のバルデス、ネイラーに打者のエルナンデス、ナニータの4名に加えて、新外国人として新加入した先のビシエド、さらにはリリーフとして考えているであろうハイメ投手にジョーダン投手の計7名である。
これだけいれば数うちゃ当たる的な考えかもしれませんが、一軍に出られるのは最大で4名です。現時点ではバルデス、ネイラーは開幕ローテーション候補ですし、ビシエド、エルナンデスも4番5番候補です。新たに獲得した二人のピッチャーは、弱くなったリリーフ陣のテコ入れでしょうが、果たして外国人枠に勝てるでしょうか。
今シーズンも貯金を作りたい阪神としては、誰も出てきてほしくありませんが、外国人枠が厳しい場合一軍の選手が相当頑張るケースもありますので、甘く見てはいられません。
ドラゴンズの新人はゆっくり育成したいが
中日は昨年のドラフトによって、将来有望なバッテリーが仲間入りしました。はずれ1位で小笠原慎之介投手を、3位で木下拓哉捕手を獲得しましたがチーム事情で二人ともいきなりデビューの年になるかもしれません。言わずと知れた甲子園優勝投手の小笠原ですが、故障明けもあって本来は1,2年ファームで育てる方針だと思います。
しかし大野と若松以外はローテーションが危ういチーム事情で、早めの先発起用なんてことがあるかもしれません。また自身の後継が全然育っていない谷繁監督としては、木下が即戦力捕手になりえるのであれば、すぐにチャンスを与えるなんてことも十分あり得ます。上位を狙う阪神としては、まだ寝ておいてもらいたい存在たちですが、勝負の世界、何が起こるか変わりませんので油断は禁物です。