阪神の大問題!ポスト鳥谷は201年も出ないのか?
鳥谷の後継者は候補すらいない
阪神には鉄人がいます。ショートという難しいポジションで、ルーキーイヤーの出場から
連続試合出場を2015年シーズンで1,609試合まで伸ばした鳥谷敬である。
現監督の金本氏の、1,492試合連続フルイニング出場、1,766試合連続出場という
記録があるからなのか、それほど取り上げられませんが、鳥谷の記録も相当なものです。
無事之名馬(ぶじこれめいば)という言葉が示す通り、シーズンを棒に振るような怪我を
していないのは本当に凄いことです。
そんな鳥谷は、2014年シーズンオフには海外FA権を行使して、メジャー挑戦を試みましたが、
最終的には断念して阪神に残留しました。2016シーズンを迎える今も、絶対的なレギュラー
として阪神に君臨しています。
しかし、これは阪神にとっては由々しき問題でもあります。2011年に上本博紀が9試合
守ったのを最後に、阪神のショートは鳥谷以外、ただの一人もいないんです。いわゆる守備固め
や大差がついた場合も含めても、誰一人としてショートを守っていません。
これでは後継者が育つわけありません。
スーパールーキーの入団や、FA戦士で埋めるという手はありますが、両手段とも相手あってのこと、
やはりチームの選手で後継者を育てることを真剣に考える時期にきています。これだけ試合に
出続けられるということは守備も打撃も安定している証拠です。事実、ゴールデングラブ賞を
4回、ベストナインも6回とっています。
昨年もゴールデングラブ賞を獲得しましたが、その選考結果はかなりの物議を交わしました。
ゴールデングラブ賞はプロ野球記者による投票で決まる賞です。いわゆるタイトルのように
確固とした数字ではありません。それでもいろんな角度からの数字が出ていました。
総アウト数は、トップが広島の田中広輔で688、2位が鳥谷よりも13試合も試合数が少ない
巨人坂本で605、そして鳥谷が587で3位でした。もちろんこれは単純比較できず、守備範囲と
言う意味で有効な数字です。
一方、守備で防いだ失点を表すUZRという数値では、トップが坂本で2位が田中、鳥谷は何と
最下位でした。実際に記録される失策数では、坂本が11、鳥谷が14、田中が22でしたので、
総合力で坂本が初めての栄冠に輝くと思われていました。
ところがふたを開けてみると、鳥谷が104票、坂本が91票、田中が35票でした。やはり34歳
と言う年齢から考えても少し衰えが見えてきていることは隠せません。
大英断は金本監督しかできない
他チームの選手であれば、前述したように守備固めなどでどんどんショートを試すことも可能です。
または選手寿命を考えてサードへのコンバートなども当然考えているでしょう。しかし鳥谷には、
連続試合出場を続けている身であり、ショートでの連続試合出場も記録更新中です。
一個人の記録のためにプロ野球が存在しているわけではありませんが、怪我でもない限り、変えられない
日々が続いています。これって少し前に同じような状況がありましたね。そう、金本監督の現役時代の
連続フルイニング出場です。
ポジションは外野ながらも、怪我をしても毎日毎日フルイニング出場を続け、しかもクリーンナップ
としてチームの大戦力になり続けていました。時には、骨折した腕をかばって、片手一本でタイムリー
を打つなど神がかり的でした。
しかし、肩の怪我が悪化し、犠牲フライの返球すらできなかったこと、ランナーセカンドの場面でヒット
によるホーム生還を簡単に許すことなどで、自ら志願してスタメンを外れました。その後も記録のため、
監督が毎試合必ず使ってくれてはいたものの、選手起用に関して疑問視される問題ともなりました。
鳥谷自身は、現時点でチームに悪影響を与えるようなプレーをしているわけではありません。ただもしも
そんな瞬間が来たら、英断を下せるのは金本監督しかいないでしょう。後継者を育てるというテーマを
考慮しつつ、自身の経験から最高のタイミングで手腕をふるってほしいです。
もちろん鳥谷自身は、まだ34歳であり、自らポジションを明け渡すつもりはさらさらないと思います。
打撃面でも通算1,766安打で2,000本安打も十分狙えます。まだ5年は、ショートを渡さないくらいの
意気込みでやっていることでしょう。ファンの心配を吹き飛ばすくらいの、キャリアハイの成績を期待しましょう!