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風の通り道

主にエッセイを発表します

 

 倉庫状態になっている部屋の、荷物の移動をした。あっちの物をこっちに、こっちの物をあっちにしないと、しまうべきものがしまうべきところにしまえない。「白いチェスト」と箱に書いてあっても、その白いチェストが、部屋の一番奥にあり、その前には荷物が積まれてあったら、どうすることも出来ない。

 片づけないと、片づけられない。ギャグではないのですよ。

 夫と二人、汗びっしょりになって、荷物の大移動。

 粗大ごみ二つの申し込みも済ませた。

 一つは洋服箪笥なのだが、部屋の入り口に、でん、と置いたので、倉庫部屋の整理は、集積後である。ついでに、廊下はカニ歩き状態である。

 

 もちろん、それで終わりではない。そこからが本番なのである。リビングにも寝室にも、段ボールはまだ積まれたままだ。しかし、倉庫部屋が自分でどうにかできるまでになったので、これからは安心して、一つ一つの荷物に向き合える。「あそこを何とかしなきゃ。でも、どうするんだ?」からは抜け出せた。

 

 捨て活の動画なんかも、見ている。

 見ながら、裾がほつれたレースのカーテンの処理をした。

 

 住まいを整えながら、土地での暮らしを楽しむ心を忘れずにいたい。

 

 

 新生姜が、スーパーに並んでいる。見ているとやはり漬けたくなって、いくらか買い求めた。まずはガリを作った。夫からは、おいしいと言ってもらえた。

 今日は、梅酢が届いたので、紅しょうがを作ってみた。紅しょうがは、夫にとっておふくろの味である。義母が、夫が高校生の頃、よくお弁当のご飯の上に敷き詰めてくれていたそうな。それで私も、紅しょうがを良く買う。大阪にいた頃は、業務スーパーが近くにあったので、1キロで買っていた。

 

 今年は、ガリだけでなく、紅ショウガも作ってみた。まずは、スライスしただけの状態で。3分ほどゆでて粗熱を取った後、赤梅酢を注いだ。

 

 スーパーには、ラッキョウもまだ並んでいる。先日、ラッキョウをつける瓶(梅瓶の小さいサイズ)を、処分してしまった。今年からは味噌漬けにしないで、生で味噌をつけて直接食べようということにした。

 しかし、おいしそうなラッキョウを見ると、作りたくなる。

 

 作る楽しみ。食べてもらう喜び。

 ものを減らすことばかり優先して、季節の仕事まで手放さなくてもいい。

 

 とりあえず紅しょうがは、ジップロックの袋に入れてある。これなら、罪悪感なく作れそうだ。

 

 写真は、前に作った紫玉ねぎの甘酢漬け。ショウガは、またそのうちに。

 

 小町通りには、おいしい物がたくさん。「映え」そうなスイーツ系から、夕飯のおかずに買って帰りたい総菜系までそろう。

 

 そんな時、ふらふらっと入ったのは、水森亜土さんのお店。両手でペンを持ち、歌いながらアクリル板に可愛い絵を描く、あの方である。アラフィフ世代なら、子供の頃の記憶に残っているのでは。

 子供の頃は、かわいいイラストや、アイドルの写真がプリントされたペンケースとか、持っていたなあと思い出す。そういうの、今でもあるのかなあと思いながら、マグカップを買った。

 自分で買ったとしても、商品の写真はだめで、唯一お許しいただいているのが、今日の一枚である。

 

 私はかつて、憧れて、トールペイントを習ったことがある。筆の使い方ひとつで、花びら一つの表情が変わるのが面白かった。子供の頃、こんな風に絵の描き方を教えてもらえていたら、私はもっと、絵を描くことが好きになっていたかもしれない。

 引っ越しを機に止めてしまったが、当時の作品は、今もある。まだ発掘されていないが、コースターが出てきたら使いたいなと思っている。