25年の公開。アマゾンプライムでの視聴。
松田悠八の小説『スタンドバイミ-一九五〇』が原作。1950年の長良川を舞台である。
子供が、山の集落に来た、紙芝居を見に行く。その紙芝居が実写版となって繰り広げられる。
父、娘、弟が、貧しい家で貧しい暮らしをしている。とある商人の、たぶんボンボンが、娘にぞっこんだ。しかし娘は、彼と一緒になる気は毛頭ない。
「この家から、女手がなくなったらやっていけないだろう」
しかし娘はある時、皮から流れてきた木の椀をきっかけに、木地師の青年と出会い、心を通わせる。
しかし、木地師は木を切ったら、また別の山へと移動していく。
娘の父は、里で育った娘が、山の者と一緒になっても苦労するだけだからと、青年に頭を下げてあきらめてもらう。
駆け落ちを約束していたのだが、叶わなかった娘は水面に身を投げてしまう。
山に洪水が来るのは、その呪いだ、という迷信がある。
その迷信を解くために、男の子が一人冒険に出る。
そんな話である。
私がいい、と思うのは、物語の構成もだが、引き裂かれても心が離れない所である。
それにしても、主人公の男性が、かつて「野菊の墓」に出演した俳優さんに見えて仕方がなかった。野菊の俳優さんは、今は芸能界から足を洗い、一般企業に勤めていると、いつかの「あの人は今」の番組で見たことがある。
いい作品は、余韻を与えてくれる。そして、自分もまた、いい作品を書いてみたいなと思わせられる。
原作者の方が、もう故人であることだけが、たった一つ残念なことである。
この夏、何か冒険してみますか?


