エピローグ415 | ぴのこ日記

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「拓実君、行こ!」

 

「どこに?」

 

「いつもの居酒屋」

 

「へ?」

 

「今日はまりなちゃんの記念日。だから拓実君と飲み明かしたいの」

 

「あぁ、そうだな。行くか」

 

「うん、またいつもの金の蔵で」

 

「あー、ちょっと待ってて」

 

「どうしたの?」

 

「いや、せっかくだからさ、三鷹で店ないかと思ってな」

 

「三鷹か、いいね、酔いつぶれても問題ないし」

 

「ちょっと待ってな」拓実君スマホ取り出して三鷹の居酒屋探してる。そんなの見てるとおかしくなる。いつまでも子供って感じがする。

 

「フフ、拓実君、まぁだ?」

 

「なぁ、これどう?『酒道ハナクラしぞーかおでん三鷹店』っての」

 

「どれどれ」スマホの画面見るとおでん食べ飲み放題で2,980円か。いい、ここにしよう。「拓実君、OK」

 

「そう、よし、じゃ予約しとこう」そう言って予約する。私もウチに電話しとかないとね。今日は遅くなるって。食べてからにしよう。そのまま拓実君見てると、「こないだおばさんにおでん作ってもらったばかりだけどな」

 

「いいからいいから。今日は私が出すし」

 

「いいの?悪いな」

 

「たまには出さないと悪いでしょ。だから出します」

 

「サンキュー、お前って太っ腹だ」

 

「いいの。拓実君にはまたいつか出してもらうから」

 

「おぅ、いいぜ。何てったって時給950円の学童だもんな。多少は金も貯まる」

 

「フフ、そういうこと。じゃちょっと電話するね」

 

「どこに?」

 

「ウチ」

 

「あぁ、遅くなるっての言うのか」

 

「そう」そう言ってスマホから家に電話。出てきたのは姉だった。

 

『はい、小山内です』

 

『あ、姉さん』

 

『どうしたの?』

 

『今日ね拓実君と飲む約束したの、で、帰るの遅くなる』

 

『ふーん、拓実君とね』

 

『そう』

 

『・・・ちょっと待って。あの、私も行っちゃマズい?』

 

『え、姉さんが?』

 

『もちろん私だけじゃない、裕輔もつれてく』

 

『ちょっと待ってて』