さがしもの/角田光代 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




こんにちは


本好きには堪らない
本にまつわる珠玉の9篇
『この本が、世界に存在することに』
改題の文庫本を読了しました

『さがしもの』

著者の角田光代さんのあとがきに
ひたすら共感
「本の一番のおもしろさというのは、
その世界に入る、それに尽きると
私は思っている。一回本の世界に
ひっぱりこまれる興奮を感じてしまった
人間は、一生本を読み続けると思う。」

自分が昔手放した本と
行く先々の外国の古本屋で再会する話や
初めて付き合った男性にプレゼントした
人生を変えた一冊の本の話や
病床の祖母から探すよう頼まれた本を
祖母亡き後も探し続ける孫娘の話、など
ある本と出逢った、ひとりひとりの
物語が心に響きます

●その世界に入る

この感覚だけで子供の時から
読み続けている私には
(角田さんほどの読書量はありませんが)
何より頷ける言葉です

厄介な出だしでも一度入ってしまえば
あとは心配要らず
入れるか入れないか、だけかもしれません
国語の授業が大好きだったのは
長文の文章を読むのが
楽しくて仕方なかったから
テストであっても入り込んでたなー

ミツザワ書店、という短編に出てくる
本屋のおばあちゃんも
「開けばどこへでも
連れて行ってくれるものなんか
本しかないだろう」と読書愛半端ない

本を愛する人達が
うんうん、あるある、わかるわかると
気持ち良く読める作品です