シンプルな情熱/アニー・エルノー | 我が家の本棚

我が家の本棚

大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





ノーベル文学賞を受賞した
フランスの女流作家
アニー・エルノーさん

彼女の受賞は
作家の小池真理子さんに言わせると
「ブラボーーーーッ!!!」だそうです

そして小池女史が
衝撃をうけた作品を紹介していましたので
早速購入して読みました
ご自身の観察日記とでもいいましょうか…
文庫本の後半のほとんどは
訳者あとがきで驚きました


『シンプルな情熱』
アニー・エルノー著 堀茂樹訳

離婚を経験し
成人した息子2人をもつ女性教師が
東欧の外交官で10歳下の
妻帯者である男性と不倫する話

とはいえ
彼女の一方的な告白のみで
物語は綴られています
彼への想いは体のこと限定
知的でも文化的でも無さそうな
容姿の良い男性に入れあげて
ボロボロになる自分を
克明に描写しています

ロマンチックでもエロチックでも無く
朝顔の観察しているようで斬新でした
でも恋に落ちるって
理性じゃないもんなーと
正直なエルノーさんには敬服

社会的立場を持ち
経済的に自立し
子育ても終わっていて独身
教養もあって
自分で人生を選べる女性だからこそ
作品になったのかなと感じました

日本では男性陣に受けないかも?