映画を早送りで観る人たち/稲田豊史 | 我が家の本棚

我が家の本棚

大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




こんにちは〜


夫がコロナに罹りました
福岡出張から帰ってすぐ
喉がかゆい、マズイかも、、、
見事予感は的中
自宅での抗原検査は陽性
発熱外来へ行くと検査なしの陽性判定
来週末まで自宅隔離です
お陰様で症状は軽く、私も子供も陰性です

再来週にバレエの発表会を観に行く予定で
そこにぶつからなくて良かった、という
本音は隠しておりますw


興味深い本を読みました
タイトルにある通り
映画だけでなくドラマやニュースなども
倍速視聴する人が急増しているらしく
(若者に限らず、とはいえ若者比率高い)
その背景を鋭く考察しています
単に批判している内容ではないので
冷静に読むことが出来ました


『映画を早送りで観る人たち』
●ファスト映画・ネタバレ  
コンテンツ消費の現在形  稲田豊史著




①映像作品の供給過多

②現代人の多忙に端を発するコスパ志向

③セリフですべてを説明する

映像作品が増えたこと


大まかな理由は以上の3点に要約され

それぞれについては

学生さんへのインタビューや

Z世代の特徴を分析したものや

各界の対応事例などが紹介されています


著者は様々な角度から

この不思議な事象を捉えようと

奮闘していて脱帽です

気持ちとの折り合いが大変だったろうなー


軽くショックだったのは

映画を観る若者の傾向として

その映画を撮った監督が誰か?に

あまり関心がないというお話

えーっ、と率直に驚いてしまった

昔の若者だった私は

小津安二郎、

コッポラやヴィスコンティや

ルイ・マルやマーティン・スコセッシや

ヴィム・ヴェンダースなどの

名匠が撮った映画を観れば

大人になれると馬鹿みたいに信じていました

そして

セリフの少なさにも魅力を感じていて

想像を膨らませたものです

時代は変化していっているのだと

つくづく感じます


他人と繋がるツールがあまり無く

好きなものが大多数に

支持されているものでも無く

誰かの日常をいつも知る環境に無く

本を友達にしてきたこともあり

マイペースで過ごしてきました


ここに登場する若者のみなさんに

ちょっぴり同情

私が今若者だったら

きっと彼らと同じように

タイムコスパに振り回されていたと思います


新しい世代の行動様式を知るのに

役立つ一冊でした