クララとお日さま/ カズオ・イシグロ | 我が家の本棚

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お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。






こんにちは!




友人からまわってきました
最近話題になった作品です

人工知能を持つロボットのクララと
病弱な少女ジョジーの物語
ノーベル賞受賞後の待望の第一作

クララの学習能力があまりに素晴らしく
優しくて純粋で献身的なので
人間側の嫌な部分がより浮き立ち
読了後も様々な感情が交錯しました




『クララとお日さま』カズオ・イシグロ著



詳細な説明は描かれていませんが
設定は近未来
ティーンエイジャー向けの
お友達ロボットとして販売されているのが
人工知能搭載の「AF」
クララを見つけたジョジーは
母親に懇願し家へ迎え入れます

ジョジーの性格や言動・行動パターン、
母親と家政婦の人間性など次々と
正確に理解していくクララは
ジョジーのために
ジョジーの幸せのために
何が最善かを常に考えます

ジョジーは母親が選択した
向上処置←*具体的説明は全く無し
によってエリートの道を進みますが
それは生命の危険がセットでした
どんどん衰弱していくジョジー
ひたすらお日さまに祈るクララ、、、


向上処置を受けていない
幼なじみリックとの恋の駆け引きや
ジョジーと同様に
向上処置を受けた選民意識の強い
親子達との会話から
色々なことに気がつくクララ、、、

全てを見聞きし
ジョジーに寄り添い
彼女のためだけに行動した
クララの行く末は幸福であったのか
切ないラストです

どう受け止めるかは読者次第だと
思いました
友人は号泣したそうで
私はというと
クララの崇高さに感銘を受けつつも
物語後半のジョジーと母親の行動には
割り切れない思いでモヤモヤモヤモヤ

クララが幸せだと感じているならば
それで良いのです、が
誰かは誰かの代わりにはなれないという
当たり前のことを脇に置き
心配の解決を科学の力に頼る
人間の弱さ狡さを目の当たりにして
切ないような
でもそれが人間らしいということかと
納得出来たような
複雑な読後感でした


ちょうど今
手塚治虫さんの「火の鳥」を全巻揃えて
じっくり再読中です
今回の作品にも通ずる内容なので
読み応えがあります
頭を使わないと読めません
疲れてます笑