みかづき / 森絵都 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。






年明け早々
今年のお気に入りベスト5に
確実に入る作品と出会いました
なんと幸運な!



こちらの本は
ブロ友Cちゃんさんお墨付きでしたので
躊躇わずに購入しました
ありがとう、Cちゃんさん!
背中を押してくださって(^^)



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とにかく素晴らしい読後感
467ページというボリュームに
少したじろぎましたが
まぁズンズン読めること!面白い!
1日半で読了しました


『 みかづき 』森絵都著


物語は小学校の用務員、大島吾郎が
授業についていけない子供達に
勉強を教える場面から始まります

最初から面白いのです
蕗子ちゃんという聡明な女の子との出会いが
吾郎の運命を決定づけます

蕗子の母、赤坂千明は学校教育に
猛烈な不信感を持っており
先生として抜群の才能を持つ吾郎を説得
共に「学習塾」を立ち上げます

千葉の八千代からスタートした
2人の塾の変遷史。。。





凄いスケールでした
「塾」が
教育界の徒花といわれた昭和30年代から
学校内で補習授業を受け持つという
一昔前なら考えられないような
大きな存在となった現代までを
見事に描ききっています

教育者として獅子奮迅の活躍をする吾郎
塾経営者として走り続ける千明

悩みながらも親を追い
教育の世界に進む娘たち
蕗子、蘭

祖父母、父母から影響を受け
やはり同じ世界へ一歩を踏み出す孫の一郎

大島一家三世代の
教育にかける情熱が凄まじいです
吾郎のような
じっくりと子供を待ってくれる先生
こんな素敵な先生に出会えていたらなぁ
もっと勉強が楽しくなっただろうなあ


子供により良い教育を、と願うのは
特別なことではありませんが
子供がより良い教育環境で学べるのは
当たり前ではありません

吾郎が進学塾でなく補習塾に拘る姿
娘の蕗子が疑問を抱えながらも
公立校でひたむきに働く姿
孫の一郎が経済的に貧しい家庭の子供達に
学びの場を作ろうと奮闘する姿
形はそれぞれでも
教育に心血を注ぐ姿勢は同じ
勉強についていけない子
経済的理由から勉強が後回しになっている子
様々な事情の子供達に気持ちを寄せる彼らに
感動しました

まぁそれにしても国の教育に対しての
政策、指針、方向性、
学習指導要領については
読んでいて不満と不安が湧き出ます
腰をすえて取り組んでもらいたい!
思い出すのは
姉の長女が小学校に入学した時のこと
ちょうどゆとり教育が導入された頃で、、、

入学した際に配布された国語の教科書の
文字の大きさと本の薄さに愕然とした姉が
「ねぇ、国は馬鹿を大量に養成しようと
しているのかしら?なにこれ、絵本より
字が大きいじゃないの!!」と大激怒

その後この方針は見直されましたよね
円周率は3じゃないですもん、当然!


私自身
塾には短期間しか通っておりません
でもその塾で数学を教わった時に
人生で初めて
数学って楽しい!と実感出来たことを
いまでも鮮明に覚えています

長男も小4の頃から中3まで
塾にはお世話になりました
現在は予備校に通ってます

学校と家庭以外に居場所がある、
勉強だけでなく大人と密に関わる、
友人たちと一緒に頑張ることができる、
分からないところをいつでも質問できる、
進路について相談出来る、
やっぱり教え方が上手、等
私は本人がよほど嫌がらない限り塾肯定!
の考えできましたので
より大島家に感銘を受けました

学校とその他の教育機関が対立せず
さらに学びやすい、
学ぶことを諦める必要のないシステムが
誕生することを願っています
国の未来は
子供達の教育次第
もっともっと予算使って下さい、安倍さん



色々ツラツラと書いてしまいましたが
とにかく素敵な一冊でした
読めてよかったです
森絵都さん久々の長編は最高でした