クリスマスですね(╹◡╹)
年末年始用に何冊か買い込んでおいた本
その中からずっと気になっていた一冊を
今日読みました
読みかけは積み重なり(ちょっと溜めすぎ)
読了本の感想は滞り(ちょっと停滞期)
読みたてホヤホヤの作品について
感想を書きます
3年前の野間文芸新人賞受賞作
『想像ラジオ』いとうせいこう著
文庫、内容紹介より〜
深夜2時46分。海沿いの小さな町を
見下ろす杉の木のてっぺんから
「想像」という電波を使って
「あなたの想像力の中」だけで
聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを
始めたDJアーク。その理由はーーーーー
東日本大震災を背景に、生者と死者の
新たな関係を描き出しベストセラーとなった
著者代表作。
杉の木のてっぺんに仰向けの状態で
片手に携帯を握り
もう一方の腕は、木の枝が貫通していて
その先に鳥がとまっているという
DJアーク
身動きが取れず
町を逆さに眺める彼は
ひたすらリスナーに語り続けます
読んでいくうちに
死者が死者の声を拾っている、と
わかりました
どうみても
これはあの震災の日であり
津波の犠牲者であり
無数の悲しみと無数の声なき声であり
直接的な表現は少なくて
文体も暗くはないのに
ふいに涙が流れます
アークが出てこない章では
生きている側が
被害者、被災者、遺族、と
どう向き合うのかが描かれており
これはとても難しいことだと思うのですが
作家Sなる人物が登場し
彼なりの方法で受けとめ
彼なりの方法で踠きつつも探し出し
折り合いをつけていこうとします
抽象的な言い回しは
読む人によって解釈が変わってきそうです
誰もがSであり
誰もがアークである
どのように読んでもいいのかなと
感じました
読むたびに震災を思い出し
読むたびに震災を考える
忘れてはならないことを
教えてくれる内容でした
個人的に好きだったのは
DJアークが選んで流す曲
ジョビンの「三月の水」
ボブマーリーの「リデンプションソング」
シナトラの「私を野球に連れてって」
その他何曲も。。。
海を見ながら聴いたなら
どんな心情になるのでしょうか
正直に書きますと
読みやすい文章ではありませんでした
好みもわかれると思います
いとうせいこうさんの作品は
むかしむかし「ノーライフキング」を
読んだきり、、、ストーリーは記憶に無し
ラジオをたまに聴きますが
とくに好きも嫌いもない人物
この作品
出版された時に各紙絶賛だったのです
買わなきゃいけないような気持ちにさせられ
その単行本をほんの少し立ち読みして
本当にいま、すぐにでも読むべき本か?
悩みに悩んで結局買わなかった一冊
数年経ち文庫化になり
気安く買える状況になったので
読みました
読んだ人が
それぞれ想像する、
それがいとうさんの目的なのかも
しれません