だから荒野 / 桐野夏生 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。



師走突入ですねー


読書は地味ながらも
なかなか順調です
感想を書くところまで辿り着かないのは
ショボショボしてきた視力のせいかも


新刊が出たときに
文庫になったら読む、と決めておりました
主人公の主婦は同じ年齢で
家族構成も同じ

それにしても
ずいぶん我が家の景色と違うなぁ
出だしの荒んだ感じにウンザリして
読むのを止めようかと思ったくらいです  笑
デフォルメが過ぎる、、、



『 だから荒野 』桐野夏生著


主婦の朋美、46歳の誕生日
自ら予約したレストランへ
自ら家族を車に乗せて向かうも
そんな大切な日に
夫の浩光は文句と蘊蓄を垂れ
長男健太からは着ている服を馬鹿にされ
次男優太にいたっては
早く死ねババアと悪態をつき
そもそも食事会について来ず
部屋に閉じこもる始末

近年このような状態が続いている森村家
朋美にも至らない部分は多々あり
偏食の子供達に食事を作るのことをやめ
遊び歩く夫のことにはほぼ無関心
決まった金額しか渡さない夫を理由に
身綺麗にしたり
家を片付けたりもなおざり

世間から遠ざかっている自覚を持たず
毎日が鬱屈しているイヤな感じの中年女性

そんな朋美ですが
家族の身勝手さは度をこしていて
ついに怒りマックス
誕生日の食事会を途中退席し
そのまま家を出ます

↑ここまでウンザリ描写
↓ここから本題スタート

朋美が女性1人でどこまで行くのか
どこまで行けるのか
この先どうするのか
ロードムービーのようで
面白く読み進みましたが

置き去りにされた浩光の無神経さ
子供達の頼りなさ
朋美本人の脇の甘さ

家族全員の欠点がより浮き彫りになり
どういうラストにするつもりなのか、と
だんだん心配になってきました


で、ラストねぇ、、、、、、



以前はわりと好きで読んでいた桐野夏生さん
突出した名作『OUT』以降
どうにも不完全燃焼の印象です
こちらの作品も
私はラスト、あまり共感出来ませんでした

自分探ししちゃう若者を否定してたのに
46歳の主婦がしでかした自分探し
探すも何も
目を背けラクな方へ逃げていただけ
もっと家の中にいる人達と
諍いを避けずに向き合っていたら
済んだ話のような気がしてしまって
同情する余地なかったです

ひとのせいにしてると
イヤなおばさんになっちゃうんだな、
そのことだけは学べました





先週ランチした
後輩Mちゃんとの会話は
お互いに
旦那さんが普通にちゃんとした大人で
本当に良かったね、ありがたいね、
息子たち普通に育ってくれて
本当に良かったね、ありがたいね
そんな話ばっかりwww

だって
こんな未熟な中年女達を彼らは
見捨てずに大事にしてくれるんですもん
ありがたい話でございます(泣)