初恋温泉 / 吉田修一 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





ありがたいことに
ブログでのお付き合いも
長くなってまいりました

好きな本、作家さんが似ていると
常々感じてはおりましたが
今回は同時期に同じ本を読んでいたようです
星の数ほど本はあるのに
偶然とはいえ凄いです(人゚∀゚*)
Cちゃんさん、感想うっすら真似です(笑)


はい、大好きなこの方の一冊



「初恋温泉」吉田修一著


5編の短編収録
へぇーと感心したのは
舞台がすべて実在の温泉宿だったこと
文中に名称が出てくるわけではないのですが
それぞれの物語のタイトルをめくると
下部に小さく舞台が記載されてます



★初恋温泉。。。熱海「蓬莱」
離婚話の翌日、温泉へ来た重田と妻の彩子
彩子から別れたいと言われた重田は
理由が全く分からないまま。
がむしゃらに働いて
妻に幸せな生活を与えてきたつもりなのに
何故?

ズレた男女の会話に
重田よ、その鈍感さこそが原因だよと
教えてあげたくなりました

余談*名旅館「蓬莱」は現在
            星のリゾート「界」になってます


★白雪温泉。。。青森「青荷温泉」
結婚前の辻野と若菜
おしゃべり好きなカップルが
北の温泉へ出かけます
ふすまを隔てて
別のカップルと泊まる羽目になりますが
隣からは全く声が聞こえず
食堂で見つけたその2人が
静かに優しく見つめ合っているその訳は?

じんわりと良いお話でした
機関銃のようにしゃべる辻野達と
隣の部屋のカップルの対比
雪の日のキーンという静寂
情景を思い浮かべるとドラマチックでした


★ためらいの湯。。。京都「祇園 畑中」
勇次と和美は偶然再会して
なんとなく始まった不倫カップル
お互いの伴侶に嘘をついて
京都へ旅行に出かけます
キーワードは「東京」「40℃」
 
世の旦那様達ね、妻を侮ってはいけません
私も‘もしかして’があった際には
多分気づくと思います


★風来温泉。。。那須「二期倶楽部」
保険の外交員である恭介は
人間関係が歪になることを飲み込んで
ひたすら顧客獲得に邁進してきたやり手
那須の高級温泉宿の一室で
一緒に来るはずだった妻の言葉を
思い出し慌てて外へ飛びたします

これは怖かったです
読後感もザラついてまして
吉田節が炸裂しておりましたねぇ

余談*このお宿はぜひ泊まってみたい所
           いつかきっと行くぞ!


★純情温泉。。。黒川「南城苑」

高校生カップルが背伸びして
一泊の温泉旅行へ
健二の男の子としての単純さ
真希の年頃の女の子としての潔癖さ
可愛い2人です、真剣です

あまりにもお馬鹿で可愛らしくもあり
人間の本質ってあまり変わらないのかも、と
納得する部分もあり
初々しかったです


恋愛小説ですが
ちょっと視点が違います
アマアマ、ベタベタ、ドロドロは無し
さらっと読めて良かったです
白雪温泉が一番好印象でした
音がある、ない、
色んな形の愛がありますね





今夜は久々に大所帯で飲み会です
ママ友10人くらい
飲みますよーーーd(^_^o)