おはようございますー( ̄▽ ̄)/~
あたたかい朝です
映画公開で話題になっている
「 草原の椅子 」
宮本輝さんの作品ですね
輝様…近頃は再読本ばかりで
未読の本に挑戦していませんでした
阪神淡路大震災半年後
シルクロード6700キロを旅し
それから2年経過したのちに
毎日新聞に連載された小説です
◇◇◇
遠間憲太郎は50歳。離婚後、大学生の娘 弥生と暮らしている。
カメラ量販店の社長で親友の富樫重蔵とは人生を語り合う仲。
互いに過去を振り返り、今の自分達には穴があいているのではないか?と
焦りを感じていた。
そんな時、憲太郎は陶器店経営者の篠原貴志子に恋をする。良き大人でありたいと思う憲太郎は、彼女と親しくなりつつも一歩を踏み出せないまま…
ある日、弥生が1人の少年を連れてくる。母親から虐待を受け続けたせいで、体も心も未発達の圭輔。彼を預かることになった憲太郎は精一杯の愛情を注ぐ。富樫の手助けもあり、圭輔は少しずつ瞳を輝かせ始める。
憲太郎は自らの生き方を見つけるために、いつか行ったパキスタンのフンザとタクマカラン砂漠への再訪を決意し、富樫、貴志子、圭輔と共に旅立つ。日本の国土と同等の大きさという果てしなく広い砂漠に降り立った時、憲太郎は自分の使命に気づく。。。。。
◇◇◇
人生の折り返し地点で
我が身を振り返り
焦燥感にかられる男性2人
憲太郎と富樫は
十分に分別もあり
思いやりや知性、度胸も
持っている大人です
それなのに
心にポッカリとあいた穴を
なかなか埋められずに
逡巡します
未発達児の圭輔と関わるように
なってから
物語はひとつの方向へ
動き始めるのですが…
一気読みしたくせに
全然上手く感想が書けません(。-_-。)
まとめるのが難しいー(汗)
虐待を受けてきた圭輔を
細やかな深い深い愛情で包む
優しい大人達がたくさん登場して
救われた気持ちになりました
そして圭輔は
愛情を受けとるばかりでなく
周囲に愛を与えています
人は誰かに必要とされ、人のために考え動くことで “生きていること” を実感するのでしょうか
タクマカラン砂漠で
憲太郎も富樫も貴志子も
何かに気づき
前を向いて進んでいきます
輝様があとがきで
「おとな」の定義を書いています…
“幾多の経験を積み
人を許すことができ
言ってはならないことは決して口にせず人間の振る舞いを知悉していて
品性とユーモアと忍耐力を持つ
偉大な楽天家でもある”
この作品で
そういう大人を描きたかったそうです
相変わらず
言葉の抽斗が豊富で
美しく流れるような文章
この日本という国に対して
怒りや憤りを激しい言葉で
登場人物に語らせていますが
その類の表現でさえ
知的で清潔です
言葉は思考である
今回もその事を
痛烈に感じました。。。
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