~詩を贈りたい~埴輪の気持ち -2ページ目

コーヒーとミルク

交差点の白いとこだけを歩いていく

たくさんの人が行きかっているのに

私はあまりに一人で

つい甘いことを言っていた


周りの雑音に掻き消されるように

誰にも届かないトーンで


言いたかった


本当は聞いて欲しかった、と


黙っていたのは

口に出しても何も解決しない事をよく解かっていたから

状況はもっと苦くなると思ったから


漆黒の夜の水面には

静寂と高鳴り

口から注がれた白い一滴は

水面にすっと広がった


君と来た道を逆さに

私は人込みを歩いていく


慌ただしい日常の中で

白と黒はかき混ぜられて

やがて一つになって

はっきりとは思い出せなくなる

口の中に後味だけ残して

逆説

続きそうな文章。その先の言葉が見えてこない。
隠し続けているんだろう。いつまでも。
そう簡単に見せられるものじゃない。
そう簡単に想像されちゃ困る。
誰にもわかりゃしない。

本人がわからないのだから。
でもいつまでも考えていれば必ず何処かに行きあたる。


だけど


だけど何?




そんな逆説の先に本当の僕がいる。

スペース

通り抜ける自転車。

消えかかる夕日。
「さようなら」までの道のりを、僕らはずれて歩いていく。
お互い認めあっているのに、大切なことはしまいこんで。
この隙間をうめる方法を、僕は考え悩んでいた。

「寒いね」そう言った君の顔は覗えなかった。
見つめている君の背中がやけに遠く感じて。やけに寂しくて。
それでも君が振り返れば急いで笑った。


見慣れた道、君は言葉をそこに置く。
僕は拾い投げ返す。


いっそうのこと、君の手を握ったら…。
この隙間をうめる方法を、僕は知りながら悩んでいた。