コーヒーとミルク
交差点の白いとこだけを歩いていく
たくさんの人が行きかっているのに
私はあまりに一人で
つい甘いことを言っていた
周りの雑音に掻き消されるように
誰にも届かないトーンで
言いたかった
本当は聞いて欲しかった、と
黙っていたのは
口に出しても何も解決しない事をよく解かっていたから
状況はもっと苦くなると思ったから
漆黒の夜の水面には
静寂と高鳴り
口から注がれた白い一滴は
水面にすっと広がった
君と来た道を逆さに
私は人込みを歩いていく
慌ただしい日常の中で
白と黒はかき混ぜられて
やがて一つになって
はっきりとは思い出せなくなる
口の中に後味だけ残して