Touch & Go | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

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この作者は初めてでした。もともとはロマンス小説書いてた人らしい。

面白いんだかつまらないんだか、最後までよくわからないお話だった。


父から譲り受けた建設会社を、さらに大きく育てて大成功したナイスガイのジャスティン。貧しい生まれながら、彼と出会ったことで人生が180度変わって、幸せになった、はずだった美人妻リビー。思春期特有の不機嫌を体中から発散させている、15歳の娘アシュレイ。金曜日の夜、セキュリティ万全の彼らの家に3人組が押し入り、スタンガンを使用して家族3人を拉致誘拐します。


彼らが連れて行かれたのは、ジャスティンが建築を請け負って、完成したものの使用されていない刑務所でした。犯人グループの目的は何か。誰が彼らを雇ったのか。果たして一家の運命はいかに・・・


追う警察サイドは、地元ニューハンプシャーの刑事ワイアット、FBI、そして、ジャスティンの会社が契約しているセキュリティ会社のテッサ(元刑事のシングルマザー)。

リビーの一人称と、ワイアットかテッサの三人称を交互に重ねて、物語は進んでいきます。


人質一家は、傍から見ると完璧なファミリーに見えるのだけど、ジャスティンは若いお姉ちゃんと浮気していて、それを知ったリビーは薬物中毒になり、アシュレイも実はとんでもない秘密を抱えています。だけど、とにかくなんとか生きてここから出たい、再び家に戻って平穏な暮らしをしたい、と切実に願うリビー。彼らが助かる道はあるのでしょうか。


ジャスティンが、生命保険を利用して900万ドルの身代金を犯人に提案したことによって、指定口座への振り込みと同時に、彼らは釈放されることになるのですが、そんなにすんなり事件が解決するはずもなく・・・


事件の首謀者は、ジャスティン宅のセキュリティコードや会社の内部事情に精通している者だと見られ、関わる人たちが順番に疑われていくんだけど、なんだか警察の皆さん、詰めが甘くて間違えてばっかり。なかなか真犯人に行き着きません。

最終的に真相が解明されても、あんまりカタルシスがなくて、「なんじゃこりゃ」っていうのが正直な感想。


ただそれよりも、問題なのはヒロインのリビーが意味不明ということですね。

そりゃあ、愛する夫に浮気されてショックだろうけど、すぐにクスリに依存して、誘拐されたときには抜け殻のようになっている、という設定に共感しがたい。お嬢さん育ちなわけでもなく、若い頃からさんざん苦労して、玉の輿に乗った女性は、もっとしたたかなのではないかしら。難しい年頃の娘がいるんだからなおさら・・・


元女性刑事のテッサも、まだ29歳なのに8歳の娘がいて、しかも夫を撃ち殺した過去があるとかで、過去の作品を読まないとその経緯はよくわかんないけど、リアリティをあまり感じないキャラクターです。

そしてワイアットも、仕事と「木材」にしか興味がない朴訥な変わり者かと思いきや、一緒に捜査に加わるFBIが元彼女だったり、テッサにもすぐ惚れちゃったり、一貫性がない感じ。


うーん。

まあそんなアラアラですが、妙に勢いで読ませるのでした。暇つぶしにはいいかも。