Six Years | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

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ハーラン・コーベンの新作。忙しいとか言ってるわりに、電車の中で読み、寝床で読み、あっという間に読み終えちゃった。それだけ、「何だって?!次はどーなるんだっ?」とスリリングだったのは確かです。

でも、この人の小説って、こんなに次々に人が死んだっけ。前はもう少しライトな味わいがあった気がするんだけど、この数年、どんどん作風がビターに厳しくなっているのではないかしら。面白いんだけどさ。。。


本作の主人公、ジェイクは若き大学教授。学生たちとは適度な距離を保ちつつ、熱心に指導を行なってユーモアにも溢れる、人気のある先生です。


でも彼はひそかに、つらい過去を抱えて生きていました。

6年前、愛する女性ナタリーとの別離がそれでした。ひと夏のロマンスと言われればそれまでの、ナタリーとの濃密な日々。彼女こそ運命の女性だと信じてやまないジェイクは、でもある日突然、彼女に別れを告げられます。それもただ振られただけじゃない。ナタリーに、「元カレとよりを戻して、結婚することになった」と言われ、あろうことか結婚式に招待までされるジェイク。嘘だウソだ、こんなのありえない!と、茫然自失になりつつ、ナタリーが自分の知らない男、トッドと愛を誓う姿を目の当たりにします。さらに、「二度と私たちの前に現れないと約束して」と非情な言葉。


でもジェイクは「いいやつ」なので、彼女の言葉通り、その後一切の連絡を絶ち、彼女の行方を探すこともなく、傷心を封印して生きていたのでした。

ところが!6年後のあるとき、彼は見てしまったのです。ナタリーと結婚したトッドの死亡記事を。

決意が揺らぎ、トッドの葬儀に、のこのこ出かけていくジェイクでしたが、そこで驚愕の事実を知らされます。トッドの死が他殺であること、トッドの未亡人は別人であること、6年前にナタリーと結婚したはずなのに、ティーンエイジャーの息子がいること・・・


混乱したジェイクは、ナタリーの妹や、当時のふたりを知っている人々を訪ねますが、誰も何もなかったかのようにとぼけるばかり。そして、肝心のナタリーの消息は、全く掴めないまま。


こうなったらもう、何とかして彼女に会いたい、彼女を探したい!と勢い込むジェイクを、いろんな人が邪魔しにかかります。彼を襲う謎の悪党、追いかける警察、そして「約束したはず・・・」と一言だけ届く電子メール。調べれば調べるほど、もつれていく運命の糸!ナタリーは一体どこにいるんだ!トッドとの結婚は何だったんだ!トッドはなんで殺されたんだ!どうして悪いやつらもナタリーを追っているんだ!


いやもう、途中からは支離滅裂です。登場人物の多くが、とんでもない過去の秘密を持っていて、えええええ、あなたも?まさかそこまで?いうことがどんどん起きて、収拾がつかない、どうするんだジェイク、っていうかハーラン!・・・というジェットコースター。ジェイクより一足先に私は真相にたどり着いたけど、結末をそう持ってくるか、とは思わなかった。


男の人って本当にロマンティストですね。


とあるサイトの記事を読んでいたら、この小説、ヒュー・ジャックマンで映画化の話が進んでいるのだとか!