ピース | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

ピース (中公文庫)/樋口 有介
¥720
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なんと久々の更新でしょう!1ヶ月以上ぶり。今年初。

どんだけ本から遠ざかる生活をしていたのか、ということがよくわかります。


さて、この「ピース」なんだけど。


あちこちで激賞する書評を目にしてて、気になっていたのですが、ウーン、そんなにこれが素晴らしいのでしょうか。ちょっと期待はずれ。


埼玉の閉塞感漂う田舎町、わけありの人々が集うスナック「ラザロ」。その店で働いていたピアノ弾きの女性が、バラバラ死体で発見される。しかも、どうやらこれは連続殺人事件。最初の被害者と、ピアニストとの間に接点が見つからないまま、やがて第三の犯行が起きて・・・田舎の変わり映えしない風景だとか、うだつのあがらない中年男とか、叩き上げの警察官とか、秩父弁のセリフとか、まあ、そういう描写は読ませるし、登場人物も面白いんだけど、いろいろ散りばめられた謎が、最後に回収されるのかと思いきや、放置!放棄!ウッソ!?でおしまい。


だいたい、途中で私にだって被害者の結びつきはわかっちゃったよ。ちょこっとどんでん返しはあるものの、伏線を張っても、張っただけで終わりというのは、すっきりしません。


あと、筋に関係ないことで気になったのは、被害者の女性がかつて、「ウィーンのピアノコンテストで銀賞をとった」というくだり。せめて「ピアノコンクールで2位に入賞」とかいう表現にしてくれないと、興ざめです。残念。