- ピース (中公文庫)/樋口 有介
- ¥720
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なんと久々の更新でしょう!1ヶ月以上ぶり。今年初。
どんだけ本から遠ざかる生活をしていたのか、ということがよくわかります。
さて、この「ピース」なんだけど。
あちこちで激賞する書評を目にしてて、気になっていたのですが、ウーン、そんなにこれが素晴らしいのでしょうか。ちょっと期待はずれ。
埼玉の閉塞感漂う田舎町、わけありの人々が集うスナック「ラザロ」。その店で働いていたピアノ弾きの女性が、バラバラ死体で発見される。しかも、どうやらこれは連続殺人事件。最初の被害者と、ピアニストとの間に接点が見つからないまま、やがて第三の犯行が起きて・・・田舎の変わり映えしない風景だとか、うだつのあがらない中年男とか、叩き上げの警察官とか、秩父弁のセリフとか、まあ、そういう描写は読ませるし、登場人物も面白いんだけど、いろいろ散りばめられた謎が、最後に回収されるのかと思いきや、放置!放棄!ウッソ!?でおしまい。
だいたい、途中で私にだって被害者の結びつきはわかっちゃったよ。ちょこっとどんでん返しはあるものの、伏線を張っても、張っただけで終わりというのは、すっきりしません。
あと、筋に関係ないことで気になったのは、被害者の女性がかつて、「ウィーンのピアノコンテストで銀賞をとった」というくだり。せめて「ピアノコンクールで2位に入賞」とかいう表現にしてくれないと、興ざめです。残念。