- エージェント6(シックス)〈上〉 (新潮文庫)/トム・ロブ スミス
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- エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)/トム・ロブ スミス
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なんて久々の更新なんだ!自分のパスワードも忘れてた!
いやもう、トム・ロブ・スミス、すごいです。79年生まれってウッソでしょ、という迫力。
衝撃デビューの「チャイルド44」のときに、何を勘違いしたかロシアの小説だと思い込み、原書は無理だなーということで翻訳版を読んだのですが、田口俊樹さんの邦訳も素晴らしいので、キンドルLoveの私も、あえてこのシリーズはすべて日本語で読みました。
どこまでフィクションなのか、こんなこと書いていいのか?と思うほどに、スターリンらのソ連の悪政、ひどすぎる密告と私刑と貧困と無情を描いてきたシリーズですが、冷戦相手のアメリカと渡り合う本作の時代になって、俄然リアルに感じられるようになりました。
主人公レオは、かつて秘密警察の刑事として活躍した立場ながら、今は平穏に愛する妻と二人の養女との生活を噛み締める毎日。むしろ妻ライーサのほうが、教師として頭角をあらわして、生き生きと働いています。本作では、そんな夫婦の若き日の出逢いを初めて描き、へえええ、と意外なレオのロマンティストぶりを教えてくれます。
やがてライーサと娘たちに持ち上がるアメリカ行きの話。平和を歌う音楽使節団としての旅のはずが、とんでもない陰謀に巻き込まれて、レオの家族に大変な危機が!!!というのが上巻。
そこで何が起きるのか言っちゃうと、これから読む人に申し訳ないので書けませんが、まあとにかく大事件。
そして下巻はアフガニスタンに侵攻したソ連軍、っていう凄まじいところから幕を開け、ドラマティックな展開を繰り返して、驚愕のラストへ!
自由とか正義とか、愛とか、簡単に口にできなくなるような、でも少しそれらについて考えさせられるような壮大な物語でした。かといって堅苦しくなく、一級のエンターテインメントとして楽しめます!
エージェント6、そういう意味だったのか!