Long Lost | そういえば、昔は文学少女でした。

そういえば、昔は文学少女でした。

クリスマスと誕生日に一冊ずつねだった、「世界少女名作全集」。図書室の本を全部借りよう、と思ってた中学時代。なのに今では読書時間は減る一方。ブログに書けば、もっと読むかも、私。という気持ちで始めます。洋書から雑誌まで、硬軟とりまぜ読書日記。

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新年初エントリーが『佐藤智仁君』だったもので、周囲から想像以上に「何かあったのか?」「いったいどうした?」

「大丈夫か?」と言われてびっくりでした。

普段とは違うたくさんの人々にもご来訪いただきました。

佐藤君ファンの皆様、お立ち寄りありがとうございました。

ま、松も開けたことだし、私はひとつ年を取ったことだし、ここらで我に返っていつもの調子でいきましょう。

帰ってきたマイロン・ボライターの最新作です!

6年ぶりだった前作「Promise Me」 からさらに4年。実際に古い知り合いみたいな気がしてくるマイロンや、友人のウィン、エスペランザたち。軽妙な掛け合いは健在です。

マイロンの昔の恋やつらい思い出なんかも知ってるし・・・お互い年取ったよねー、なんて言いたくなります。

でもって、昔の恋といえば、ぷっつり消息を絶っていたある女性から、ある朝突然の電話を受けることで、またしてもマイロンは事件に巻き込まれていくのです。テレサって誰だっけ、あー、あのときの・・・って、もう10年くらい昔のことなので、私の記憶もおぼろげなのですが。

当時マイロンは、絶対に自分が守ると約束した最愛の女性のボディガードに失敗し、つまりはその彼女を死なせてしまい、失意のどん底にいました。そんなときに出会ったのが、CNNのアンカーウーマンだったテレサ。これまた何か大きな事情を抱えた様子のテレサと、南の島でただひたすら抱き合うだけの休暇を過ごし、いつしか生きる力を取り戻した、という経験が彼にはあります。その後マイロンが窮地に陥ったときにテレサは彼に救いの手を差し伸べますが、忽然と姿を消してそれっきり、もう7年も行方不明だった・・・

それが突然「パリにいるの。今すぐ来て。わけは後から話すから」って。すごいなテレサ。美女の特権?

っていうか、それで出かけていくほうもすごいなマイロン。

9・11で夫を亡くした女性アリと付き合っている彼は、一度は断るものの、結局うまい具合に(といっては不謹慎ですが)アリにふられて、さらなる事情も重なって、一路パリへと飛ぶのです。

そして待っていたのは驚愕の・・・

言葉の通じない、魅力的だけれど謎めいたパリの街で、狙われたり襲われたりしながら、テレサの過去を知り、恐るべき秘密と向き合うことになるマイロン。ちょっとハリソン・フォードの映画『フランティック』を髣髴とさせるところもあります。アメリカ人にとってのパリっていうのは、何か特別な憧憬やコンプレックスの対象なのでしょう。

英語ぺらぺらの皮肉屋刑事が、いい味を出しています。