【特選】魂の居場所を求めて | 日々、折々…

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【特選】魂の居場所を求めて 白洲正子、前登志夫 著 河出書房新社

 エッセイストであり、古典、芸能、美術等の研究家とでもいえようか、白洲正子と歌人である前登志夫の対談やそれにまつわるエッセイなどがしたためられた書である 2012年に出版されているのだが、その時には白洲正子も前登志夫ももう没していて… それゆえにかこの本を手に入れるのは苦労した

 あくまでも対談やエッセイであるので読みやすく、すいすいと読みすすむ 話題は主に前のフィールドである和歌や吉野、中央に対する「山ひと」、熊野などについてもふれられる そして、西行 なんともそれらの話題を元に、文化の本質、つまり生きるということについての誇りについてのやりとりをするものだから、深い共感と時には丁々発止ともいえるやりとりは心躍るほどである 白洲正子や前登志夫が盛んに触れていた南北朝や西行についての彼らの著作に触れてみたいと思うのである そして、谷崎潤一郎の吉野葛も…