三鷹市議会 令和5年第4回定例会 市長提出議案に対する半田伸明の考え方 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和5年第4回定例会 市長提出議案に対する半田伸明の考え方

前回のエントリーで議案他、各資料の一覧を載せました。

上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。

 

以下、議案概要の番号順に、私がどう受け止めたかを書いておきます。

 

<考え方その1 国や都で変わったものに対する連動>

考え方はこちらのエントリーを。

今回は、議案概要の番号で書くと、3、5、7、8、10がこれに該当します。これらは議案概要をご覧くださいで終わりです。もちろん賛成です。

 

<考え方その2 三鷹市の「意思」で制定ないし改正するもの>

1)基本構想です。締め切りが来ました、新しくしますという話です。

「自治基本条例に基づき、市民、事業者等、市議会、市長等がそれぞれの役割を担いながら」とあるので、それぞれの役割は自治基本条例を見るしかないという構造です。

確かに自治基本条例は「最高規範」という位置づけですので、「自治基本条例に基づき」というのはわからなくもないですが、所詮は条例です。では構想って何だろう?と考えると、かなりモヤモヤしてきます。

また、今までと異なり、行政のあり方が実ははっきりしない構造になっています。今までは「自治体経営の基本的な考え方」というくだりがあり、その中に行政のあり方も記述されていました。ところが今回はそれらしいのがありません。

自治基本条例には市長の責務の規定はありますが、行政のあり方について連携だのなんだのあるだけで、そもそも行政はどうあるべきか?がはっきりしません。

つまり、基本構想から行政のあり方そのものがそっくり抜けてしまったと見えてしまうのです。

作り手は一生懸命研究して作ったのでしょう。それはわかりますが、多角的にどういう批判が来るだろうか?という視点からの分析が足りていなかったのではないか?という気がしてなりません。

これらのことでいちいち反対というのもどうかと思うので賛成しますが、このモヤモヤ感はずっと残ったままになるでしょう。

 

2)組織の中身を変えますよという話です。この手の話は、あーそうですかという話であり、組織をこうすべきだとの意見をさしはさむのは個人的には執行機関の在りようにケチをつけることになりおかしいと私は思います。執行機関の仕事の内容をチェックするのは当然ですが、執行機関のありようを議会側からいうのはそれは行き過ぎだと思います。

 

4)今までと同様、低い税率のままということです。個人的にはおかしな話だと毎回思っています。税を取るべきところから取らないというようなもので、低所得者層に説明がつかないと毎回思います。財政悪化局面になったら真っ先に改正すべきところでしょう。今は税収が伸びている局面ですので、今回は賛成でいいのですが、今後考えなければならない内容です。

 

6)借りていたものを地主の返還請求があることにより返還というものです。

 

9)警視庁との協議で信号機の移設工事などを始めとして、いくつか変更を迫られることになり、やむを得ない増額という内容です。3500万ほど上振れしますが、そこを含めて当初予算で見積もっていたとのことで、この点は安心しています。

電線共同溝整備に関するものは都が負担ですが、今回の増額はそうではない部分が大半のようで、その分市の持ち出しは増える構造ですが、そもそもは都道なのに市が負担する部分があるというのがどうもしっくりときません。いろいろと細かい取り決めがあるのでしょうね。

 

11)~19)は指定管理者の再指定案件です。16)が事情変更ありで、非公募→公募ということのようです。今まで学園単位で一部公募に切り替えたりという経過があるので、これは理解を示したいと思います。そもそも本来は原則公募ですしね。

もっとも、指定管理者の議案は議案審査参考資料が重要です。評価選定委員会の議論のありようにつき議会で議論するわけですから、前提となる資料がどうだったか判明しないことには賛否は当然言えません。その意味で現時点では賛否保留となります。

 

次に補正予算案です。

 

1)橋梁架替事業費の減、これは宮下橋です。

橋の架け替え自体は、今年度に1億9396万、次年度に2億9094万の2か年の計画でした。しかし、当初予定していなかった事象が数点発生し、やむなく延びるという状況です。

当初全く想定していなかったマンションの建築が発生したりと、かなり大変な状況のようです。

延びるのは仕方がないとして、あとは財源構造の問題が残ります。先に書いた2つの数字がいったん見直しとなるわけで、それが債務負担行為補正につながっていきます。0になっていますね。

また、地方債補正をご覧ください。補正前3億2800万、補正後1億5300万となっています。差額の1億7500万の記載が一旦見送りという形になっています。

実は「道路整備事業」という括りの記載ですので、橋以外の道路も含めてこの金額になっています。

補正後の1億5300万の内訳ですが、そのうち7500万が宮下橋関連の物件補償費という構造です。

物件補償費は、ガス管移設、上水管移設、下水管移設の3つに分かれます。ここで繰越明許費をご覧ください。4640万となっています。これは上水管につきすでに契約が済んでいるものを繰り越すという形になっています。なお、ガス管は既に解決済です。

このように実にややこしいのですが、これは詳しく調べないとわからないですね。議案書や補正予算案総括表では当然ながら読み解けません。このややこしい状況を、どうやってわかりやすく説明するのか、総務委員会の議案審査参考資料でどこまでわかりやすく説明するかですね。

物件補償については、ガス管、上水管、下水管、それぞれ分けて起債が筋ではないかと考えていたのですが、ひっくるめて物件補償という枠とのこと、これについては理解しました。

 

2)天文台です。土地利用基本構想→土地利用整備計画の流れですが、今回それらが延びることになっています。で、新たに自然環境調査委託の債務負担行為補正となっています。

要するに、自然環境調査をもう少し範囲を広げますということです。これは来年の9月までとのことのようです。

構想にしろ整備計画にしろ、自然環境調査をしながらも強引にすぐにくっつけてくるのか、ここがわからないですね。調査が終了しないと構想が作れないということではないからです。

 

3)戸籍等への氏名の振り仮名追加については、全額国からとなっています。

 

4)高齢者施設の感染症対策です。これは全額都からとなっています。

この事業は、都は単年度ごとに要綱を出しているようです。つまり毎年違うということです。1年前の12月も似たようなことがありました。

今回は高齢者のグループホームに家族面会室を設けるという内容になっているとのことです。30人以上の施設は事業者と都で直接やり取りですが、29人以下の施設は一旦市を経由することになっています。

では、29人以下の施設がいくつあるの?となっていきますが、これは対象事業者数が17あり、そのうち今回手を挙げたのが1事業者という結果になったとのこと、これが不思議だったのですが、小規模の施設だとちょっとした工事で建て替えレベルになってしまう可能性が高いということもわかり、手を挙げる業者が少なかったというのも理解しました。

 

5)保育園整備事業の返還金ですが、マスコミで取り上げられた事業者からの返還などです。

 

6)国庫支出金の返還ですが、コロナ禍で見込んでいた支出増(子ども関連とか)が、蓋を開けてみたらそうでもなかった、余りを国に返すという話です。

 

7)乳幼児はじめ医療費の増ですが、子どもの感染症が大流行で、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、RSウイルスなど凄いことになっているようです。で、当初予算の金額を大幅に上回りそうだということで、今回の補正となったものです。これは致し方ないですね。

 

8)一小・北野小の学童ですが、次年度の申し込みがすでに始まっていますが、既に両施設で20人ずつほど入れない可能性が出てきていて、とはいえ近隣で分室整備できるほどの物件はなく、結果的に教室の一部を活用してとならざるを得ないという実態のようです。諸消耗品費40万、諸備品購入費40万のうち、国や都の補助が付くのが備品のみのようです。

 

9)帯状疱疹ワクチンです。新たに始まった事業で、要は見込み以上にニーズがあったということです。想定を見誤ったと批判することは可能ですが、とはいえ新たな事業ですからきちんと想定というのもなかなか難しい話ですよね。これも理解しました。

 

10)介護保険事業特別会計については例年のごとく精算です。国保については余ったお金のうち国に一部返しますという話です。

 

11)中央防災公園事業の市債償還です。前年度決算で生じた余りの一部を使って中途内入れという話です。

 

12)あと債務負担行為補正の新規です。このうち公会堂の階段は老朽化激しく緊急性があるということ、あと次年度を見据えてのプロポーザルなどがあり、業者から参考数値を出させたもの(広報や窓口業務委託など)などいくつかありますが、特段の問題はありません。

 

13)補正予算案については以上です。盛りだくさんの内容となっていますが、ひとつひとつ突き詰めて調べていくと、なるほどなぁという内容ばかりでした。

特に宮下橋については気がかりです。急な事情変更は市の職員のミスというレベルの話ではありません。その意味で、状況が刻々と変わっていく中、担当課の職員さんは本当にご苦労なされていることと推察します。彼らの頑張りに敬意を表します。

 

これらの議案は議会運営委員会で、即決か付託か、付託ならどの委員会に付託かが話し合われます。

今日の議会運営委員会で、即決付託につき次のように決まりました。議案概要の番号で書きますね。

 

4)、8)、10)→即決、国保補正

1)、2)、3)、5)、9)、12)、各補正予算案(国保除く)→総務

11)→文教

7)、13)~17)→厚生

6)、18)、19)→まちづくり環境

なお、陳情1件、まちづくり環境委員会に付託予定となっています。

 

即決の日付は明日の木曜日です。金曜から各委員会です。日程ですが、今のところ、

12/8  総務

12/11 厚生

12/12 まちづくり環境

12/13 文教

となっています。

 

次のエントリーは、常任委員会における議案審査終了後に、議案審査参考資料をまとめたものをアップする予定です。