三鷹市議会 平成31年第1回定例会 本会議5日目 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成31年第1回定例会 本会議5日目

今日は定例会最終日でした。流れを書きます。

議運委員長報告後休憩、13時から本会議でした。

最初に各委員会の審査報告書が読み上げられました。審査報告書はこちらをどうぞ。

そして、各議案につき採決。私が議案につきどのように考えていったのかについては、この議案審査の部分をどうぞ。

なお、厚生委員会の部分で2点討論しました。

<議員提出議案第2号 反対討論>
本条例改正案は市の負担増を求めることになりますが、後に予算議案の討論で述べますように、財源で今大変な状況になっています。
本案とセットで何かしらの廃止案があり、支出増と支出減がセットになっているのならまだわかりますが、そうでないのでまともに実行されるなら基金取り崩しで対応するしかなくなります。
健康福祉基金の更なる取り崩しを認めること繋がりかねないわけで、思いはよくわかるのですが、現状の財政を考え、反対します。

<議案第2号 賛成討論>
そもそも都の制度としてスタートする時点で23区は所得制限なし、都下26市は所得制限ありからスタートという歴然とした差があります。
つまり、本件の最大のポイントは地域間格差にあると考えます。
このような状況下で市の負担で所得制限撤廃をすることは、いわば地域間格差に屈服したことになり、私はおかしいと思います。
しかし、周辺の自治体と足並みをそろえる必要があることも良くわかります。その限りにおいて本議案には賛成しますが、本制度の都の負担のあり方につき抜本的見直しを都に求める必要がある旨指摘しておきます。

国保税に関する議員提出議案がありましたが、後に書くように予算がアップアップしている状況でさらなる財政支出増には当然ながら賛成できませんので、反対としました。議案2号については問題意識を以前ブログに書きましたが、地域間格差につき述べておく必要があると判断し、討論しました。

まちづくり環境委員会の2件の請願ですが、これも以前ブログに書いたとおり、石炭火力発電関連は反対、水道の方は賛成としました。ともに意見書提出絡みであり、発想の原点は地方自治法99条にあることはいうまでもありません。

議会運営委員会付託の請願審議を迅速にしろという請願については反対しました。以前新川墓地問題がありましたが、何度も継続することによって解決方策を模索するやり方を否定されるのはおかしいと考えたからです。

これらのあとに、予算についてです。考察の過程はここにまとめています。
結果として全て賛成となりました。ただいくつか重要課題を指摘しておきました。以下の討論をご覧ください。

<議案第9号 賛成討論>
数点問題提起をしておきます。

1)保育士の宿舎借り上げについて。
人材確保と言いながら、国は補助率を1/2から3/8に下げています。不交付団体だからという理屈のようですが、人材確保に交付も不交付もありません。今回は都支出金の増で対応できたようですが、国に補助率引き上げを強く求めて頂きたいと考えます。

2)都支出金の都型学童クラブ事業補助金について。
29年度に1億5400万近くあったものが半分近くにまで減っています。調査したところ、単価そのものを切り下げられている現実がわかりました。確かにこれはいわゆる上乗せ補助ですから切り下げられても仕方がないとも言えそうですが、そもそも子育て支援と言っておきながら切り下げること自体、都の判断は間違っています。単価の見直しを都に求めて頂きたいと考えます。
また、これに関連して弾力運用のあり方も論点になります。決まったスペースに入れる人数が多いほど、面積を基準としているからには一人当たりの面積が狭くなり、結果としてこれも減の一要因であることになります。弾力運用せざるをえない実態を都に話をして、算出のあり方を根本的に考え直してもらいたい旨、都に主張するべきでしょう。

3)基金取り崩しについて。
健康福祉基金の取り崩しが増加傾向です。義務的経費の伸びに対し、基金取り崩しで対応できるうちはまだ良いですが、いずれ限界がきます。まずは年度末補正の際に、健康福祉基金に積む比率を高めるべきでしょう。合わせて、保育料のさらなる見直しをするべき時期が来るかもしれません。基金取り崩しによる対応が限界がきてからでは対応が遅くなります。今のうちにシミュレーションを開始するべきでしょう。

4)市庁舎建て替えについて。
賛否両論ありますが、郵便局との関係で一旦白紙になったものがようやく先日の協定でスタートの位置に立ったという理解でおります。
建て替えする必要はないとの声もあります。一定の理解を示したいと思います。反対の声を一律的に批判するのではなく、大切なことは「取られ損の税を使う官」という潜在意識があることを正面から認めることです。
正解は必ずあります。この正解に至るまで何をなさねばならないか?それは情報の公開です。
長寿命化の場合、総コストはいくらか、単年度のコストはいくらか、何年持たせられるか、また、建て替えの場合の総コストはいくらか、単年度のコストはいくらか、何年持たせられるか、これが一目瞭然でわかる特集をぜひ広報で特集をして頂きたいと思います。つまり、長寿命化と建て替えと、市民に比較検討していただく土台をきちんと示すのです。
先日の特別委員会の質疑で明らかになったのですが、私が一番重視している単年度のコスト比較で、長寿命化の場合も建て替えの場合も実はさほど差がない現実があります。また長寿命化で行く場合、最大20年を80億かけてやることになるわけですが、結局そのあとに建て替えとなり、未来の子供たちに対する負担をさらに先延ばしにしているに過ぎないというシビアな見方もできるわけです。ならば、今の時点での建て替えの方が現役世代も負担の一部を背負うことになり、この方がコストの平坦化から考えると筋が通るだろうと考え始めております。
ただし、あくまで「考え始めております」の段階です。私自身は賛成も反対も表明できません。なぜなら全体像を示す財政フレームがはっきりしないからです。第4次基本計画第2次改定まで1年あり、それまでの間財政フレームを示さないままというのは賛否の議論をさらに混沌とさせてしまいます。基本構想の段階で、かつて防災公園・元気創造プラザ事業の際に28年度決算概要で示されたような公債費の将来予測のグラフをぜひ示して頂きたいと思います。
このグラフ、そして先に述べました長寿命化と建て替えの比較、これらが出揃って初めて本格的な議論が議会内で開始されるべきだと考えています。

5)し尿処理について。
多摩川衛生組合に頼まざるをえなくなり、走行距離が伸びることなどから委託料が増になっています。ずっとこのままでいくのか、それとも見直しをするのか、今後の見通しを議会に示して頂きたいと考えます。

6)コミュニティバスについて。
前年度も見直しを指摘しましたが、今回はもっと悪化しています。収支改善がなされず赤字が膨らむ一方です。移動困難者に限定して福祉タクシーやハンディキャブとの関係も含めてあり方を再構築し、コミュニティバスは廃止を前提として検討を開始して頂きたいと考えます。

7)学校施設の長寿命化計画について。
行政報告のあり方が問題となります。きちんと素案の段階から行政報告をして頂きたいと考えます。
以上数点問題提起をしました。前年度は9億円余の土地売却収入がありなんとか予算編成できたのが実情であり、今回は市税の増で足りない部分を基金取り崩しでなんとか予算編成できたというのが実態です。つまり、ここからわかることは支出の固定化にどう対応するかに限界があるということです。さらなる税収増があるか否かにつき希望的観測を持つことは許されません。結論として幾つかの事業そのものを削減せざるをえない事態に直面していると考えます。「民の生きるを守る」に直結するかどうか、この考え方を軸に、直結しないものは行財政改革の対象に据えるという考え方を、今だからこそ持つべきでしょう。
本予算案は、「返す以上に借りない」を満たしていること、及び義務的経費の伸びに対し、丹念に決算見込みに合わせ削減している努力も見受けられることから、各特別会計への繰出のあり方も含めて本予算案には賛成します。

以上になります。

これらの予算案の採決の後、各特別委員会の経過報告

そして追加提出議案上程でした。内容は損害賠償請求事件に係る和解についてです。
特に問題なく賛成しました。

そして、議員提出議案1号です。
委任専決のあり方についてです。消費税率アップに伴うものを今のうちに対策立てておきましょうというものです。問題なく賛成しました。

次に、意見書案・決議案です。内容はこちらをどうぞ。

いつもは議会運営委員会のあり方を問題視し退席していますが、今回は水道民営化の請願があり、これには賛成でしたので、この件だけ例外的に採決に応じ、他はいつも同じ論法で退席としました。陳情は請願と同じ扱いと考え、採決には応じ反対で対応しました。なお、決議案には全て賛成しました。

<意見書1号 退席討論>
29年第3回定例会における意見書(案)第12号に述べたことと同様のことを指摘して、意見書提出の請願に賛成した関連の8号を除き退席します。

陳情の内容はこちらをどうぞ。

以上になります。市側の発言場面はないので、動画紹介は割愛します。賛否一覧は後日市議会HPに載りますので、そちらをどうぞ。

今定例会もお付き合いいただき、ありがとうございました。また、今回の更新で議会報告は終了となります。今任期も本ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。