三鷹市議会 平成29年第4回定例会 各常任委員会 議案審査 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成29年第4回定例会 各常任委員会 議案審査

議案紹介はこちら

<総務委員会>
先に紹介した1)と9)〜13)の部分です。審査参考資料はこちら

審査参考資料のタイトル部分を並べておきましょう。
・平成29年度基金運用計画
・保育士等キャリアアップ補助事業の拡充について
・教育費寄附金と教材用備品の充実について
・「三鷹市の適正な債権管理の推進に関する条例」の概要
・三鷹市の適正な債権管理の推進に関する条例施行規則(案)

債権管理条例ですが、審査参考資料の概要の「債権の放棄」の部分をご覧下さい。時効の利益を得るためには、債務者からの意思表示が大前提となります。ところが、債務者が例えば行方不明の場合など債務者自身が債務を認識しないケースというのがあるのです。
この場合に、資料にあるように「事実上徴収困難な債権が累積」することになるわけです。これを「債権者側から」つまり三鷹市の方から放棄できる条例を作る、これがこの条例の一番重要なところです。
確かにどうしようもない不良債権をそのままにしっぱなしというわけにはいかないですね。市長は上程理由説明の際、債権管理点検の総運動をする旨を述べていましたが、速やかにこの運動が進むことを期待したいですね。

次に補正予算ですが、特別会計含め様々な精算があります。これはカラクリがありまして、次年度につき一定の見込みを夏頃に自治体は国に出す手続きがあります。伸び率など換算し見込みを出すわけですが、実際はそこまでではなかったということはよくあります。

例えば洋服小売業者が卸売業者から仕入れるとします。100万は売れるだろうと見込み、その分の注文が卸売業者に届き、それに見合う洋服の枚数をおろしたが、実際は90万しか売れなかったということは、容易に想像できますよね。

これと同じで、要は見込み発車なのです。これはシステムのあり方の問題であり、国の予算組みなどを考えると致し方ないわけです。
これがきちっと金額が決まった場合に、ルールに基づききちんと数字をきれいにしましょうというのが、「精算」です。
一般会計の補正予算に生活保護がありますね。思っていたほど伸び率がなかったことをもって、「生活保護の申請を却下したのか!」となりがちですが、生活保護行政のあり方と精算ルールに基づきお金のありかをきちんとしましょうねということは、当然別の話です。
このように、精算はいわば決まりごとで、12月議会の風物詩なのです。

私が気になったのは、保育士キャリアアップ事業です。審査参考資料の3Pの対象施設ごとの金額振り分け表をご覧下さい。
私立保育園は都の10/10となっていますね。要するに、都が全部出すわけです。
一方、公設民営保育園はどうでしょうか。実は都のお金はありません。市単独事業となっていますね。
地域型保育施設の場合、どこが認可するのかを考えると、1/2負担というのもわかりますが、公設民営については解せませんね。
なぜなら、私立保育園も公設民営保育園も、その実態は変わらないからです。
「公設」というだけで、いわば機械的に振り分けるのは如何なものかと思います。これは三鷹市として東京都に「実態は変わらない」と主張していくべきでしょうね。この点は最終日の本会議で一言述べるかもしれません。


<厚生委員会>
3)と7)になります。審査参考資料はこちら

審査参考資料のタイトル部分を並べておきましょう。
・三鷹市北野ハピネスセンター条例(全部改正)新旧対照表
・三鷹市北野ハピネスセンター条例施行規則(全部改正)新旧対照表
・北野ハピネスセンターの指定管理者の指定について(概要)
・指定管理者候補者審議結果(施設別)
・三鷹市北野ハピネスセンターの管理運営に係る事業実施計画書(新規)
・社会福祉法人 睦月会概要
・指定管理者候補者選定方法審議結果
・平成28年度財務報告書
・三鷹市六小学童保育所A等の指定管理者の指定について

ハピネスセンター、学童双方に共通していることがあります。それはこれらが指定管理者指定の議案であるということです。
公共施設の管理運営に民間の創意工夫の概念を入れる指定管理者制度です。当然ながら民間には様々なものがありますので、公募で対応するのが大原則です。その意味で、北野ハピネスセンターについては問題ないものとみています。公募で対応していますし、審査参考資料の概要にもあるように既に一部の部門の業務を受託している実績もあるからです。

問題は学童の方です。これは非公募になっています。いつもなら非公募というだけで指定管理者制度の趣旨に反するので、反対という結論になります。
そういう目で見ていましたが、指定期間を2年と短くしているところが大きなポイントになります。資料の審議結果にあるように、日本保育サービスは複数の学童保育所の指定管理者になっており、実は指定期間がバラバラでした。
いわばお尻の部分を一緒に合わせますよというわけです。となると、次のステップは、非公募というだけで原則通り反対とするか、それともお尻の部分を合わせることに意義を見出し今回は賛成で次はきちんと公募にしてくださいと指摘するか、この判断となります。

この判断につきかなり悩みました。そこで、過去の実績を見ると、実績報告もきちんとなされており特段の問題はないと考え、後者の考え方で臨むことにしようと考え始めています。ただし、今までの指定管理者選定の議案に臨んできた私の態度を一部変更することになるため、この点はなぜ賛成なのかをきちんと説明する必要がありますね。最終日の本会議で一言述べようと考えているところです。

学童保育所については待機児の問題がどうしても付きまといます。ただし、本議案はあくまで指定管理者選定の議案であり、待機児問題については述べるのをやめようと考えています。
待機関係で気になっているのは、一般財源の負担です。実は保育園と異なり、学童については一般財源の負担はさほど大きなものではないのです。人口流入が激しくなる一方ですので、学童については大胆に増設をすべきではないか、私はそう考えています。

委員会付託された議案についての感想は以上になりますが、最後に先日の本会議で即決議案とされた部分について、私の質疑を紹介しておきましょう。

<72号>
上程理由に「都市農地を保全し良好な都市環境の形成に資することを目的として、生産緑地地区に定めることができる区域の規模につき下限の面積を500平方メートルから300平方メートルとする」とありましたが、なぜ下限の面積を減らすことが都市農地の保全につながるのか、過去の経緯及び現状を踏まえ、改正理由をもう少し詳しく教えてください。

<76号>
入居要件の緩和の部分ですが「子育て世帯への支援を拡大するため」との上程理由でした。収入申告義務の免除については法改正に伴うものとしてわかりますが、入居要件緩和の部分はそうではありません。具体的に何が基準となって入居要件緩和につながったのか、背景をお伺いします。

<79号>
承諾の部分についてです。上程理由に「両市にまたがる開発事業の道路について、その帰属を三鷹市と小金井市とでそれぞれ受けたが、当該道路は三鷹市部分も含めて小金井市道として認定するため」とありましたが、なぜ小金井市道として認定しなければならないのか、必要性の部分がよくわかりません。もう少し詳しく教えてください。

<84号>
上程理由に「管理職手当について、東京都の額を参考に近隣市の支給額水準との差の調整を計る」とありました。給料表の都表化の流れから「東京都の額を参考に」という点については理解しますが、近隣市云々の部分については、今回武蔵野市は引き上げないようです。
武蔵野市は引き上げないのに、三鷹市は引き上げることにつき、市民の皆様に合理的な説明が必要だと考えます。この点につき御所見をお伺いします。

以上です。
ポイントなのは、即決議案は頼りになる資料はなく、市長による上程理由説明のみを判断材料としてそれで足りないところを補うという点にあります(もちろん独自調査はしますが)。
それぞれ納得いく説明があり、賛成しました。詳しくはこちらの動画をどうぞ。

市長や議員のボーナスアップについては例年通り反対ですが、それら以外の議案については賛成という結論になりそうですね。

なお、行政報告については、常任委員会のと特別委員会のと一括しての次回エントリーとします。